「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」シネマハスラー恒例シネマランキング2016ベスト10+ワースト発表
クリスマスなので今年もあと1週間でお仕舞いと。
宇多丸さんのこの12本内で私が見たのは8本で、ラジオの興奮度合から「この世界」と「シン・ゴジラ」の一騎打ちかと思ったけれどね。まさかのロッキースピンオフがNO1とはね・・・意外な結果に。
今年からベスト10の上にグランプリ(チャンピオン)が位置するようです。
チャンピオン(年間最高評価) クリード チャンプを継ぐ男
去年の年末公開されてあっと言う間に終了したので見てない人も多いだろうな。私は3か月くらい前にアマゾンビデオで途中まで見てつまらなかったので中断した。
今も公開中。
レンタルDVD屋に行かなくてもiPadでもiPhoneでアプリで見れるんだから便利になったよね。劇場に行くと1000円以上金払ってるので途中退場はしないから良くなくても最後まで付き合ってしまう。
年3000ちょっとで好きな場所とタイミングで端末鑑賞か? シネコンか?
どっちがいいのか・・・よくわからない。
以下、見た作品には各ポスター画像の下に私のレビューをリンクしてます。
映画「この世界の片隅に」 片渕須直監督 のん(能年玲奈)原作:こうの史代 音楽:コトリンゴ - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
②葛城事件
映画「葛城事件」 三浦友和・新井浩文・田中麗奈 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
③シング・ストリート 未来へのうた
④何者
映画「何者」 三浦大輔監督 佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
⑥ドント・ブリーズ
映画「ドント・ブリーズ」 フェデ・アルバレス監督 スティーブン・ラング、ジェーン・レヴィ - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
⑦クリーピー 偽りの隣人
映画「クリーピー 偽りの隣人」 黒沢清監督 竹内結子・西島秀俊・川口春奈・東出昌大・香川照之 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
映画「I AM A HERO」 佐藤信介監督 大泉洋・長澤まさみ・有村架純 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
映画「シン・ゴジラ」 庵野秀明監督 長谷川博己・市川実日子・松尾諭 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
映画「シン・ゴジラ」2回目で、初のIMAX - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
最大のヒット作「君の名は。」はかすりもしなかった。
これは同感。いい映画だったけどね。
*ワースト(年間最低評価) インデペンデンスデイ・リサージェンス
これには激しく同意!
20年前の高揚感を木端微塵にしやがって。怒りすら覚えた。
映画「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」 - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
年内に今年の映画とか読書とかのベストとか振り返ります。
宇多丸氏のたぶん5分の1も劇場で見てないけど、動画配信とかも入れるとかなりの本数になるので・・・どうなるかな。
見たい映画がないので、自宅で動画鑑賞。「赫い髪の女」(1979年日活ロマンポルノ 宮下順子主演)を見れる幸せ。
金曜日や映画の日はシネコン安いので行っていたが、ここ1か月どうにもテレビで予告編とか見てしまうとダメだ。
長く映画ファンやってると「くだらん警報」なるものが出来てくる。
例えば「海賊と呼ばれた男」・・・登場人物が起こっているか涙目だ。
これは警報だ。
私はスクリーンで怒ってる奴とか泣く奴を金払って見なければならないのか?
うんざりする。
こんな汚い手法で観客に媚び売るのか?
もし館内で不覚にも泣くのがが耐えられん。
ということで
「アマゾンビデオ」と「U-NEXT」で昔の見逃した邦画をPC や端末、iPhoneで見ている。
特にU-NEXTは日活系が多い。
年末からリブート企画でロマンポルノの新作が園子音らによって続々公開され青春時代にお世話になった者として嬉しい限りだ。
ロマンポルノが平然と「見放題」コーナーに置いてある。
アダルト系はPCでしか見れない設定だが、日活ロマンポルノはアダルト扱いじゃないのでスマホで見られる。
ここで長い間見たかった神代の「赫い髪の女」を探しだした。
この頃の宮下のエロスはとんでもないな。
冒頭のトラック道を平然と歩く姿から引き寄せられる。
裸になっても上品で、でも見るからに猥褻で。
蓮っ葉な薄幸さと喋らなければ知的な雰囲気と
相反する2つの表現が同居させる、歩く矛盾
役者に必要なもの全部持ってる。
物語はどうでもいい。
地上30cmをフワフワ漂うアンニュイな雰囲気と
70年代を感じさせられる。
日活ロマンポルノは基本
訳あり男がいて、女がいる。
出会っては別れる。
その潔さ。
お試し鑑賞だから無料で傑作を楽しめた。
100点
アダルト映像の地平線を開拓する「カンパニー松尾」と製作会社ハマジム。それは都会のストレスからの解放であり「荒野をめざせ」とのメッセージだ。
毎週、おびただしい数の映像を見る。
無料のYoutube、Dailymotion、ニコ生、ニコ動、GYAO
有料だとU-NEXT、amazonプライムビデオ
新参者のAbemaTV、パンドラ(韓国系)も中華系もあるし
途中で観るのをやめるのも含めて50本以上の映画・ドラマを見ている。
ここに唯一アダルト作品としてカンパニー松尾率いるハマジムリリース作品を見るようにしている。モザイク等で性器は修正されたAVと言われる作品だ。何故か?圧倒的に面白いからだ。
AV界の松尾芭蕉と呼びたい。
ネットでは数百万の、無修正アダルト作品が動画投稿サイトに投稿されている。無修正動画とTSUTAYAでレンタルできる修正版AVなどの著作違法アップロード作品、アマチュアオリジナルのウィルス等による感染流出と流出ではなく自ら見て欲しい確信犯まで。
それでも松尾を激しく支持する。
セックスシーンはモザイク処理でそもそも見えやしない。
そこじゃないんだな。
アダルトでありながら切ないんだ。
アダルトでありながら誠実が見える。
アダルトでありながら心が見える。
感動すら覚える。
松尾は20代からアダルト業界で監督として生きてきた。
80年代後半からのレンタルビデオの時代から所謂ハメ撮りという手法で戦ってきた。出演、撮影、運転、編集、音楽選曲、そして演出までこなす。
だいたいこんな感じだ。
出会い)
・ナンパ(キャノンボーイはこれ)
・テレクラへおもむき素人の女性とアポを撮る。(初期の作品はこれ)
・アダルト系女性誌やネットでAV出演を募集する(私を女優にしてくださいシりーズ)
・AV女優やモデルなど玄人タレント(恥ずかしいカラダシリーズ)
前戯プレイ)
・公園や空港のトイレ、廃墟、人のいない山の中、雑居ビルの階段などトリッキーな場所が多い
本番)
ラブホテルか新宿の高層ホテルが多い
この間、登場人物はほぼ2人だ。(シリーズ物では男優が手伝ったりしている)
主演女優と松尾だけ。
アダルト業界で3大ハメ撮り監督と呼ばれる。
この松尾作品が数本、動画配信でしかも約1か月間は無料で見れる。(アダルト系鑑賞端末はPCのみ)
動画配信「アオイホノウ」福田雄一監督 学園ラブコメディでクリエイターの恍惚と不安を描くとんでもドラマの傑作
”よく毎週映画ばっかり見てられますね”
と言われそうだけど、実はその数十倍、いろんな動画を見ている。
DVDレンタル屋にはほぼ行かなくなったのは探す&返却時間が惜しい。
金も毎回掛かる。
一時宅配DVDを利用したことがあるが、家族に見つかって中身をチェックされる恐れがある。これはホラー映画より悲惨な結末が待っている。
そこで各種の動画配信を利用している。
通勤途中、買い物途中、図書館で、喫茶店で、車内で、アスレチックジムで
iPhoneで、iPad、パソコンを使い全部wifi使い放題のネット経由だ。
今年見た最も面白かったのが2014年テレビ東京の30分ドラマ深夜枠で放送された「アオイホノウ」
部分部分しか見ていないがなんとも昭和感が秀逸で傑作の匂いが臭っていた。
しかし半分も見れなかった。
そして月日が経てば、そんな感想もタイトルさえ忘れてしまう。
が、たまたまアマゾンプライムビデオで発見。全11話一気に見た。
ここまでの完成度とは思わなかった。
青春が見えたね。
自意識過剰、根拠のない自信、すぐに落ち込む、自己中心・・・
同級生、庵野秀明に対するあまりに過剰なライバル心の可笑しさ
役者が生き生きしている。
主人公役の柳楽がこの超面倒くさい大学1年生を全編デフォルメだけど
踏みとどまって時々、ハッとする真理を吐いたりする。
脇のメンツもキャラ設定がわかりやすく、やはり面倒くさい。
オープニングアニメ、8ミリ、漫画など細部にまで手が込んでいる。
「神は細部に宿る」
傑作はみんなこれやってる。
ナイン、小学館、講談社などクリエイターとプロダクト、プレイヤーが実名で登場することで、これから物を作る世界で腕一本で生きて行こうとする若者の恍惚と不安が、キッチリ描かれる。
これが並の学園ドラマとは違う。
コメディとのバランス感覚が絶妙だな。
100点
アマゾンプライムは、年会費3900円で通販送料無料は気に入ったがこっちは時々利用するだけで、後から追加されたプライムミュージックとプライムビデオで聴き放題、見放題の方が実はおいしい。
映画「この世界の片隅に」 片渕須直監督 のん(能年玲奈)原作:こうの史代 音楽:コトリンゴ
今日時点で福岡県でも2館しかやっていない。
爆買い中国人がまだ多いショッピングモール内を抜けて到着すると、さすがに話題作だけあって、平日金曜15時でもかなり混んでいる。
久しぶりに私が真ん中で見ず知らずのおっさん3人並ぶ図に。
あらすじ)
第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。
昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。
昭和10年頃から太平洋戦争直後までの田舎の少女から大人になるまで日常と非日常を詳細にスケッチしていく。画面に描かれる情報量にまず驚く。ジブリ映画には明らかにない昭和アニメカラーというか”淡い”感じが懐かしさを醸し出す。
主人公すずの声を能年玲奈(のん)が担当
みためは中学生で色気もセクシーも全くかんじない彼女だが
8,9歳頃から主婦になるまでここまで心情豊かに吹き替えできるのか?
人妻の艶までも表現できてる・・天職だな彼女は女優が。
そして「絵描き」が大好きな主人公の心象風景が随所にインサートされ、これが物凄い効果をあげてくる。思春期少女の妄想、恐れ、希望・・・
特にアメリカの空爆時の空に浮かぶタッチは本当に凄い。
この辺りの映像はアニメだからこそ残像が残る。
そして最大の悲劇に本編のタッチと全く違う技法を使い、次元の違うクリエイティブを見せる。この大胆さに参った。
黒澤明の名言「悪魔のように細心に。天使のように大胆に。」を思い出す。
これはアニメ芸術の極北としか言いようがない。
完成度の高さは「君の名は。」と双璧で2016年の夏と秋に生まれたことは、もしかしたらスタジオ・ジブリのクリエーター部門解散に伴う技術拡散の福音なのかもしれない。
しかし史実に基づくわずか80年前の、戦争に翻弄される日本の庶民を描く重さはこれまでのアニメにはなかった。海軍・軍艦の町、呉が美しい戦前回帰ではなく、メッセージのある反戦映画でもない。
少女の言葉、イメージ、体験の積み重ねから、自然と戦争を考える
壮絶な歴史の体験と、ゆるーい空想少女が大人になる面白さの絶妙なバランスというかアンバランスが心に刺さる。
音楽のコトリンゴは初めて聞いたが
この1960年代後半につくられたフォークソングが合っている。
「やりきれない」という庶民の想いがね。
片渕須直なんて初めて聞いた。
庵野、新海だけじゃなく隠れた本物がまだまだいるようで邦画の復活元年だと思う。手塚治虫を第1とすると、第2世代宮崎駿の引退が、映画界にいい影響を及ぼしている気がする。(また長編復活するらしいが)
90点(冒頭20分くらい寝てしまい採点不可の為)
映画「ミュージアム」 大友啓史監督 小栗旬、尾野真千子、野村周平、市川実日子、松重豊、妻夫木聡
雨上がりの夕方ほど映画鑑賞に合う、と勝手に思っているのでいつものど田舎シネコンに行くと、”シーン”として誰もしない感じが背筋が寒い。
こういう時はサスペンス、スリラー系がぴったりだ。
予告編がやたら「セブン」に似ていて、パクリかオリジナルか判定しようと「ミュージアム」にする。
今回は緑(狂気の色)をキーカラーにして、デヴィッド・フィンチャーイズムをベースに、イーライ・ロス的ホラーをふりかけてるような感じがする。
大友作品はNHKドラマ「ハゲタカ」「龍馬伝」を見ている。”スタイリッシュで音の使い方がうまいな”という感想を持った。
映画は劇場では見たことがない。
何かの端末で「プラチナデータ」を見たが、なんとも中途半端なスッキリしない、カタルシスのない、切れも無いサスペンスドラマだった。
あらすじ)
雨の日にだけ発生する猟奇殺人事件。その方法が残虐極まりなく、犯人の異常性に震撼する。現場には、意味深なメモ「ドッグフードの刑」「母の痛みを知りましょうの刑」など意味深なメモが残される。
警視庁捜査一課の沢村久志は、ある共通性に気づき連続殺人事件として捜査を進める。その中で次のターゲットが沢村の妻と子供とわかり、独自のルートで徹底した手段をいとわない情報収集を敢行し、緊迫した捜査が続く。
ここから沢村VSカエル男との闘いが始まる。
人質に捉えられている妻と子供を救えるのか。
雨、連続殺人、異常な手口、主人公の家庭内不和・・
シーンのいつくかはほぼ模写している。
それは全然かまわない。しかし!
この刑事のあまりの稚拙さと人間的深みが全く見えない。
深みがない時は、経験豊富で知恵を持つリーダーが導き共感できるステージまで”変化”させるのが鉄則だと思うのだが・・
「セブン」で言えば、刑事と言うより詩人であり哲学者のサマセットだ。
天才俳優モーガン・フリーマンが「ミュージアム」にはいない。
黒沢の「野良犬」でいえば志村喬
高校生にも見える小栗旬はあまりの存在感が薄い。
言葉が軽い。
セリフだけがカッコつけている。
小栗の演技力と言うよりもキャスティングミスだし
脚本(大友啓史)がダメ。
映像は部分部分には確かにカッコいい。
が、この監督は自分の映像美に酔ってるな。
主人公の心情は伝わらないが、そこは十二分に伝わった。
途中、音量が大きくてセリフが聞き取れない。
小栗に心情を吐露させるナレーションに至っては最悪だ。
主人公の内面の声を観客に聞かせてどうするよ。
だから感動を産まない。
急にレイモンド・チャンドラー要素を入れてもね。
それは主人公は本物の一匹狼で、仕事ができて、自己抑制的な
男の中の男だから観客は許す訳で。
語らせずに”見せて”観客自身に感じさせるのが映画だろうが
何にもわかっていない。
「ハゲタカ」ではそれが出来ていたけどね。
数話連続で尺がたっぷりとれ、優秀な脚本があって、視聴率とは無縁なNHKドラマだから可能だったのかな?
(後姿が市川)
一部俳優陣はよかった。
捜査の指揮をとる松重豊(彼が主人公ならモーガン・フリーマンなしでもこの映画は成立できたと思う)の存在感。
これから彼は本当のモーガン・フリーマンになる予感がする。
極めて共感度の高い人だ。
グレゴリー・ペック級の日本のエンタメ界では唯一だ。
演技力というより人間力だと思う。
そして今花咲いている感がある女医の市川実日子のミステリアス感(彼女主演でミステリーが見たいな)
最近の妻夫木の凄味を今回は感じなかった。
「羊たちの沈黙」犯人のようにもっと出番を減らして印象的なホラーシーンのみでよかったような。中途半端な描き方で家庭内トラウマの被害者像がぼやけた。
監督が見せたい映像を見せただけの、2時間のマスターベーションにつき合わされ、ただただ途方に暮れた。
当然のように共感も、カタルシスも、何もない。
金返してくれ。
5点(松重と市川が見れたので)
1日立って段々と腹が立ってきた。
Nスペの宮崎駿の怒りがよくわかる。
人間性の欠片もない犯人を見せるのにハンバーグミンチを持ち出した。
映像の為ならこんな下品で薄汚い作品を作る映画人は受け入れがたい。
極めて不快だ。
次回は今年度最高傑作の名を欲しいままにする
「この世界の片隅に」
私の人生初、アニメで薄汚れた心が浄化されるか?
【NHK】Nスペで宮崎駿復活の予感、ドワンゴ川上量生会長プレゼン問題と鈴木敏夫Pの企み(現代の真田幸村か?)
「君の名は。」大ヒットの影響で日本公開のアニメ映画興行収入リストを見せられることが何かと多い。
(現時点で「崖の上のポニョ」を抜き第5位らしい)
2位のディズニー映画を除くと上は全部「宮崎駿」の凄さ。一人で述べ1000億円以上を稼ぎ出した。新海誠にとって宮崎は3枚のガラスの天井、次回作以降が比較されるのも仕方ない。
そんなヒットの天才が11月13日のNHK特集で見せた2つのアクションが面白かった。
1つは長編映画への復活宣言
もう一つは、ドワンゴ川上氏がプレゼンした奇妙なCG映像と宮崎のリアクション
詳細は↓で詳しく
アニメが好きではないので劇場で10本も見ていない。
宮崎アニメは「風立ちぬ」しか知らない。
主人公の声が「庵野秀明」だったから見た。
なぜ声優でもない監督の庵野か?
映画見ててよくわかった。本物のクリエーターに演じて欲しかったんだな。
24時間頭の中にあるイメージ、想い、妄想からまだ世に出ていない形あるものを作りだす、狂気の世界をあの不思議な甲高い声で説得力を持っていた。
映像も凄いけど、庵野でなければならないセンスのブレの無さ。
宮崎は揺るぎない哲学の人だと感じた。
そして引退宣言・・・それから3年。
その間何故かドワンゴ川上氏が鈴木敏夫プロデユーサーの見習いに入る。
「スタジオジブリ」の哲学を十二分に理解していたことは明らか。
にも関わらずだ。
180度真逆な方向でプレゼンして見せた。真意は明らか
「あなた(宮崎=ジブリ)とこの映像技術を使い(ジブリブランドで一緒に金儲け)制作・公開したい」と。
角川(出版)+ドワンゴ(ネット配信)+スタジオジブリ(映像制作)のスキームの背後には、これまで大ヒットジブリ配信を引き受けてきた東宝に、売り上げで大きく水を空けられている東映がいるのだろう。
そしてこの企みをNHKが放送し潰した。
これ見たらジブリファンは協業を許さないからね。
民間企業グループの野望が、公共放送の放映一発で破壊された瞬間が描かれた訳だ。これは川上氏側と距離を置きたい鈴木Pの深謀遠慮に宮崎とNHKを使った(NHKも乗っかった)と見た方がスッキリする。同時に宮崎の長編復活の意欲を絵に撮らせ、ジブリ完全復活の期待値を上げる。
真田丸現代版を見せてもらった。
長編制作を休業中で新規売上のないジブリは、過去のコンテンツ展開で莫大な収益を上げるパートナーがNHKなのだ。
川上氏は長く鈴木さんを側で見ていながら自らの企てを、鈴木Pのもっと大きな企てで消されただけではなく、同時に負の企業イメージをおわされた。
何故クローズでプレゼンしなかったのか?
宮崎駿は人類愛が最優先の哲学の人で、師匠の鈴木敏夫は弟子でも平気で潰す戦略家なのだ。
NHKの地上波、日曜夜9時のNスペこそ現代の関ヶ原だったのだ。
そこに奇妙な映像で乗り込んで、拒絶されると、奇妙な屁理屈で苦笑い、衆人監視で木っ端微塵にされた。最悪だが、視聴者的には実に面白い。
自らの企画の過度な自信が先を見誤りさせた。
企画は流れ、メディア企業が他のメディア内でリーダーの資質をも疑われる結果に。
鈴木さんは現代の真田幸村か? 恐るべし。