映画「去年の冬、きみと別れ」岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、土村芳、北村一輝 焦る脚本と力が入った稚拙な演技が目立ち、どんでん返しの魅力が半減した残念作
カメラマンが例え探偵でも、殺人者であってもドラマになればこれは見たくなる。
どんなカメラで、何を撮っているのか?
自分も含めて変人多いしね。
それに原作は話題の作家・中村文則のミステリーだし
「BG」で落ち着いた感じの斎藤工がどういう芝居を見せるか?
やっといつもの、ど田舎シネコンの定位置にひとり収まり
最終回の少ない観客と邦画を楽しめる。
あらすじ)
婚約者との結婚を控え、幸せの只中にいる新進気鋭のライター・耶雲恭介。
彼が次の仕事のターゲットとしたのは、連続焼死事件の容疑で逮捕された天才写真家・木原坂雄大でした。
彼は何のために二人の女性を焼き殺したのか?
それは本当に彼の仕業だったのか?
事件の真相を追って木原坂や彼の姉、そして謎の人形師などに取材を試みるうち、いつの間にか彼らの術中にはまって抜け出せなくなっていく耶雲。
果たして耶雲は、婚約者との元の幸せな日々に戻ることができるのか・・・
岩田剛典という人をこれまで見たことも聞いたこともない。
固定観念かも知れないがライターという自由業のもつ独特のやさくれ感がない。
迷いのない、隙のない、誰に対してもぐいぐい迫る一本気は、共感できない。
(この一貫さがどんでん返しの伏線でもあったことがわかるのだが)
天才カメラマン役の斎藤工。
今回はその輝きが足りなかった。
これは脚本ミスだな。
知らない男に家の鍵を渡す異様さとか
何故に天才なのか、さっぱりわからない。
このキャラ設定が不十分だと、発言の重みと深みが感じられない。
エピソードを重ねて丁寧に映像で見せないといけない。
先を急ぎ過ぎ、この辺りは黒沢清を勉強して欲しい。
対して彼女役の山本美月は幸薄感がいいな。
(福岡出身なので応援してます)
後半のキーウーマンなんだけど美女と悲劇は相性がいいね。
かわいそうなのが北村一輝
物語の最大のキーマンなのだが
そこまではライターのボスとして敏腕編集長然としてキャラ作りに成功していたが、感情の揺れを吐露するシーンの下手さはどうしたんだろう。途端に学芸会になった。
これまで見たドラマのカッコ良さはなんだったのか?
別テークをやらせるか、カットして構成変えるかしないとね。
これは監督の演出力の無さだな。
収穫は浅見れいな
対談した宝塚男役のようなキリッと感とミステリアスが似合う。
30代の訳ありショートカット美女は恐ろしい。
どんでん返しは確かに面白く見れたけど登場人物の誰にも共感がないし
どいつもこいつも悪人だらけで後味はかなり悪い。
おまけに最後に流れるイメージソング
3分の音楽で2時間の苦労を一瞬で台無しにするこの手法
殺意さえ覚えた。
70点