アニメ映画「君の名は。」 新海誠監督
大人になってアニメ映画を劇場で見たのはたぶん2本。
最も苦手なのが
ガンダム、エヴァンとか何とか、何とかファンタジー、機動戦士何とか・・
クリエーターの奇妙な世界観や思想の押し付けが実に面倒くさそう。
が、新海誠の絵には上記の人と違う匂いを感じていた。
本業がカメラ仕事なので彼の描く構図・色彩・背景などは大いに参考になる。
一言で言えば「抜けがいい」
彼の新作特集をNHKBSでやっていて見たくなった。
九州のいなかのシネコンの金曜20時に
上映2週目とはいえこんなに客が入っていることに驚く。
「都会の男子高校生と地方の女子高校生の入れ替わり」程度の予備知識しかない。
大林の映画から40年たつが、邦画でよく使う手だ。
しかしこの映画は実に面白い。
まず東京の描写の綺麗さ
(自然界の微妙な影や風、雲に至る細かさはディズニーなんか足元にも及ばない)
ローソンとか、JR東日本とか実企業名がどんどんでてくるリアリティ
(両社は制作委員会企業)
メリハリの効いたスピード感
隕石落下の時間軸を入れたサスペンス
入れ替わり高校生の恋愛
全編に、何が起こっているかわからない小出し演出が効いている。
膨大な情報量の出し方、見せ方、その手腕は見事だ。
地方に住む10代女子のかわいらしさが素晴らしい。
「想い出のマーニー」の作画に近いと思っていたら
作画が同じ安藤だったので納得。
終わってみると、途中で語られる隕石落下の説明が・・・
今回はやめておこう。
余りにいい物語なので劇場で見てください。
映画の至福にまた20分寝てしまったが
世界最先端のアニメ映像であることは間違いない。
新海は、「実写の庵野」と同じく
大人が楽しめる本物のクリエーターと確信。
95点