映画「近畿地方のある場所について」(白石晃士監督)今年初の映画館鑑賞は、魅惑のタイトルとシチュエーションに期待したが・・・ただただ途方に暮れる
2年ぶりに、こんにちは&こんばんは。
この間入院、手術などいろいろありましたが何とか復帰できたので
ゆっくり再開します。
今年最初の映画館鑑賞はいつものど田舎シネコン
公開初日の午後に向かった。観客30%。

「近畿地方」と「ある場所」何とも魅力的なワードセンスだろう。
普段九州に住んでいて東京や関東は馴染みがあるが「近畿」と言われてもよくわからない。どんな地域でも禁忌な場所はあるだろう・・
そこで同名のコミック版1巻を読んでみた。
いなくなる人々、森からの声、謎を解明する編集者・・・
スプラッターホラーにない、Jホラー得意の小市民巻き込まれ救出劇だろう。
これは見たくなる訳だ。
あらすじ)
オカルト雑誌の編集者が行方不明になった。
彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪事件や中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々だった。
同僚の編集部員・小沢悠生はオカルトライターの瀬野千紘とともに彼の行方を捜すうちに、それらの謎がすべて“近畿地方のある場所”につながっていることに気づく。
真相を確かめようと、2人は何かに導かれるようにその場所へと向かうが、そこは決して見つけてはならない禁断の場所だった・・・

しかし何で菅野美穂なんだろう?
仕事ができて、謎解明のリーダーシップを発揮するオカルトライター役は観客を共感させて引っ張って「ある地方」での最終対決までいかないといけないはずなのにないのだ。
傑作「エクソシスト」にはリーガンにもその母にも共感したが故に最終版の対決まで観客がのめり込んだ。
登場人物に共感できるエピソードがなにひとつない。
主演が誰であれこの脚本では難しいのではないか。
なぜ菅野美穂なのか?
わからない。
物語は怖いエピソード情報の点と点がつながっていくだけ。

それっぽい不協和音BGMがよくあらわれる。
これまで見たこともないショッキングシーンがあるが
お化けだか、幽霊だか、怨霊だかが何人出てこようが
どうとらえればいいのか、彼らがそこで何をしているのかさえ
さっぱりわからない。
それら一瞬の視覚効果も、ベースに共感さえあれば突破カタルシスがあるのだが
それがないので途方に暮れるしかない。
ほんとうに不思議な映画だ。

近畿地方のある場所にまでは一応見せてはくれたが
映画は観客の心を掴むことなく、どの場所にもつれていくことなく
菅野美穂はあっち側の人でした、で次回作に続きそうな不快感。
映画が嫌いなら見なけりゃいいが
日本テレビ系を見てると出演者が番宣出まくりの異様さ
Jホラーの皮をかぶった、メディア業界内ヨイショ出来そこないの
金のある自主映画かな・・
今年最初の映画館鑑賞は見たことを忘れてしまいたくなるひどさ
30点