映画「ワンダーウーマン」公開初日レビュー (パティ・ジェンキンス監督、ガル・ガドット)DCコミック実写映画の典型で、女性戦士へ共感が出来ない、アクション偏重の残念作。
なんか最近のシネコンはハリウッドの漫画実写化のオンパレードで
くも男、スーパー男、こうもり男
緑っぽい変身する男、機械のスーツを着たり・・・
全くその手の嗜好がないので何がなんだかさっぱりわからない。
映画が楽しければいいのだが
どの映画も頭の5分、10分でもう帰りたくなる。
映画というより、TVマーケティング(番組タイアップやCM)によって
釣られた魚?、金払ってイベント動員されたバカな客か?
悲しくなる。
その時楽しければ、カッコ良ければいい客が世界中に数億人いて
関連グッズがまたバカ売れ、シリーズ化してさらにガッポリ
話題が尽きたら、違うキャラと組み合わせる・・・
「失楽園」で言う「強欲」とかこのことか。
昨年「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」というのが
公開されたようで(見ていない)そこで「ワンダーウーマン」が突如現れる。
確か70年代の海外ドラマをリアルで見たな。
この時から私はアメコミの派手さが気に食わない。
つげよしはる、蛭子などガロ派であり
ゴルゴが青春だったので日本の漫画、劇画のクオリティが世界最高と勝手に
思ってるのでこの余りにC調な勧善懲悪が耐えられない。
青少年男子にはこの体とコスチュームをテレビで放映するのは
今思えば犯罪だよね。
さてそんなDCコミック嫌いなおじさんが見た映画「ワンダーウーマン」
を見た訳は、映画「モンスター」を演出したパティ・ジェンキンスが監督となれば
何かメッセージがあるはず。
女性の、女性による、女性のための映画とか・・・
並みのハリウッド大作とは違うだろうと。
初日は、いつものど田舎シネコン金曜15時、2割入りで始まった。
あらすじ)
女性だけが住む島で育ったアマゾン族の王女ダイアナは、幼い頃から戦士になることを夢見ていた。成長したダイアナは海岸で墜落事故を起こしたスティーブ・トレバーを救出する。
真実の投げ縄を使ってドクターポイズンがマスタードガスの新兵器を開発していることを聞き出し、「外の世界」の悲惨さにショックを受ける。戦いの神アレスの関与を確信したダイアナは、トレバーとともに「外の世界」へと戦争の早期終結のためロンドンへ向かう。
スティーブが集めた仲間の力を借りつつ、戦場の最前線や要人の祝賀会へ赴きアレスを探すが・・
冒頭の島のシーンのアマゾン族は美女しか出てこない。
その中で少女ダイアナが戦士に変身していく。
日本女性だと応援したいけど
白人女性がこれやるとなんか恐ろしいな。
緑の色味がやりすぎの様でもあるけど、現実離れの世界観を与えてくれる。
ロンドンシーンは一転してHDR(ハイダイナミックレンジ)のオンパレードで見る価値があるが、やがて慣れてくる。
アクションシーンはSFX技術の最先端なんだろうけど
だから何? と。
どのアクションシーンも長過ぎる。
「インディージョーンズ」の第一作を見よ。
アクションが魅力なのは、非アクションが楽しい時だけ。
庶民生活に初めて触れるという点で「ローマの休日」があるが、このアマゾネス美女をアン王女と考えれば、非アクションはもっとワンダーな映像になったはず。
ここで共感が出来ないので、アクションだけが浮いてしまいバランスが欠いている。
パティ・ジェンキンスらしさはどこにも見られず、ただのDCコミック映画監督になってしまい、今回もただのバカな客になったしまった。
訴えたかったことは何なのか?
女性の解放をアクションで見せただけではヒットはしても心を撃たない。
「マミー」ではすぐ帰りたくなったが、ガル・ガドットは魅力で見留まった。
少女と大人の真ん中で、正義感の塊りで、恋する乙女で、ドイツ兵をこれだけ殺す女性を初めて見た。
ただの美女、セクシーとは違う彼女の人間性が時々見える。
シリアスなドラマでは見たいな。
20点