映画 「007 Spectre スペクター」 日本最速レビュー
かねてから007シリーズには大いに不満を持っていた。
1962年第一作「ドクター・ノー」ショーン・コネリー版は
(コネリーはスコットランド独立派だが)
好色で余裕があってユーモアでジョークが上手くて・・
映画のストーリーがどうであれ最大の魅力だった。
しかしコネリーが降りて以降、主役が変わり
ジョージ・レーゼンビー
コネリーにあったジョンブルが全く無いか、足りない
荒唐無稽のB級アクションを、今日的テーマの物語と
主題歌、ボンドガール(もはや話題にもならないが)
などでかろうじて人気シリーズの体をなしていた。
そして、ダニエル・クレイグが登場
21作「カジノ・ロワイヤル」
22作「慰めの報酬」
23作「スカイフォール」
青い目のハンサムおじさんで切れのいいアクション
筋肉質がスーツの上から見て取れるが・・・
映画は実につまらなかった。
見せ場はさらにパワーアップした感はあるが
本筋の物語が国際政治・経済の表面をなぞっただけの
バカバカしさ。
クレイグにはユーモアもなければ、ジョークもできない
難しい顔をしたおじさん役に徹している。
何でこんな映画に人は集まるのか?
さっぱりわからない。
そういう評価の中、2015年12月公開の最新作
「Spectre スペクター」を見た。(無料で見れたものだから)
名優クリストフ・ヴァルツが、007の敵役なのでまた
どんな怪演が見られるか楽しみだった。
これから観られる予定の方は以下は見ない方がいいです。
館内は来月公開前に週末だけの上映の金曜初日の16時スタート
けっこう人が入っていた。
物語)
小年時代を過ごした ”スカイフォール” で焼け残った写真を受け取ったボンド (ダニエル・クレイグ)。その写真に隠された謎に迫るべく、M (レイフ・ファインズ) の制止を振り切り単独でメキシコ、ローマへと赴く。そこでボンドは殺害された悪名高い犯罪者の元妻であるルチア・スキアラ (モニカ・ベルッチ) と出逢い、悪の組織スペクターの存在をつきとめる。
その頃、ロンドンでは国家安全保障局の新しいトップ、マックス・デンビ (アンドリュー・スコット) がボンドの行動に疑問を抱き、Mが率いるMI6の存在意義を問い始めていた。ボンドは秘かにマネーペニー (ナオミ・ハリス) やQ(ベン・ウィショー)の協力を得つつ、スペクター解明のてがかりとなるかもしれないボンドの旧敵、Mr. ホワイト (イェスパー・クリステンセン) の娘マドレーヌ・スワン (レア・セドゥ) を追う。 死闘を繰り広げながらスペクターの核心部分へと迫る中、ボンドは追い求めてきた敵と自分自身の恐るべき関係を知ることになる-。
どうしようもない映画だった。
冒頭のビル破壊(ここは少しびっくり)はいいとして
お祭り広場上空でのヘリコプター内なぐりあいも迫力はあるが長く見せられると飽きる。モニカ・ベルッチとの濡れ場もなく、秘書や上司との丁々発止や軽口もなく。
あっちこっちボンドガールと移動しながら、雪山で暴れ、列車で格闘、爆弾から逃れ・・・
SFXと思わせないリアルさは凄いと思うが、だから何だというのだ。このつまらなさ。どこにも映画的快感がない。
特筆すべきはクリストフ・ヴァルツの悲劇だ。
小物感がハンパない。世界中に悪のネットワークの張り巡らせた天才の趣きがない。ヒトラーの様なカリスマがないといけない。それがない。敵が強くて大きい程倒すカタルシスが大きい。
にもかかわらずだ。簡単にボンドとボンドガール2名に基地を大爆破されてしまう。こんな映画に製作費300億円以上かけて、アホかいな。
大の大人が見るものは何もない。
ほぼ時間の無駄。2度と新作は見ないぞと断言できる。
5点。