映画 「黄金のアデーレ 名画の帰還」
第二次大戦中のナチスの美術品奪還の物語が2015年2本公開された。
ハリウッド映画では「ミヶランジェロ・プロジェクト」
が、戦時下に美術品を守った兵士たちの物語。
(これは見ていないので後日掲載予定)
そして「黄金のアデーレ」
「アデーレ」はグスタフ・クリムトによる油絵(1907年)
タイトルは「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」(以下参照)
(当時史上最高値の156億円で落札)
正当な相続者のアメリカ人女性が2006年オーストリア政府と戦って
取り戻す法廷サスペンス劇。
エリザベス女王から刑事、スパイ、奔放な人妻まで変幻自在な
ヘレン・ミレンが元ヨーロッパ人の気位の高い老婦人を大芝居しないで
淡々と演じる。
法廷戦術を縦軸に、信頼しあったユダヤ人家族愛が横軸に
過去の清算が出来ないまま、不法に資産を奪われた
人々の悲しみが共感できる。
終戦後もオーストリア政府は美術館に飾ったまま「国宝」的な美術品となる。
正当な所有者に返還する制度を利用して、カリフォルニアから若き弁護士と
法廷闘争を行う。
この弁護士のダイコンぶりが唯一の欠点かな。
現代のグレゴリー・ペックみたいな人格者を
キャスティングしないといけない。
映画館のスクリーンで見てると透けて見えるんだな。
ハリウッド製作のバカ映画ばっかりが
大量にTVCMされてほんとうにうんざりする。
その煽りでヨーロッパ映画が滅多に上映されないか
名画座でこっそり一週間くらいで退場させられる。
これは何とかしてもらいたい。
70点