「渇き。」 中島哲也監督 役所広司、小松菜奈 原作)深町秋生
「告白」の中島哲也監督作品
前作で学生や子供の心象風景を見事に子供目線で
描き切った手腕は世界水準で日本で1番。
期待値は高い。
タイトルバックの映像処理が
アメリカンハードボイルドの挿絵調で
実にサマになってる。
娘が行方不明になった。
元刑事の役所が、担任、友人、医師を訪ね
人探しの合間に、暴力団や半ぐれ集団に襲われる。
娘と麻薬、異常な人間関係、
人の心を手玉にとる悪魔性に気づき犯人を追いつめる。
既に刑事を辞め、社会からドロップしている役所が
ハチャメチャな落伍者を演じて気持ちいい。
妻と愛人を車ごとぶつける
別れた妻を襲い、犯人グループの妻を強姦し
娘の首を絞め、担任の胸倉を掴み・・・
無頼さが実に心地いい。
天使と悪魔を両立させたモデル出身の小松菜奈は演技をしない
必要としない自然体で素晴らしい。
最大の貢献は妻夫木聡だろう。
助演男優賞は総ナメ必至
キャンディなめなめ、やる気があるのかないのか
得体の知れない、「先輩~」が口ぐせで。
しかし見かけとは裏腹に、頭のキレは抜群らしく
警察組織の体制維持を矜持として動く。
全く新しい21世紀の若い刑事像を作った。
本物の役者になってきた。
90点