批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー宇多丸氏、たまむすび町山智浩氏、シネマストリップ高橋ヨシキ氏を見習って公開初日最速レビューを心掛け評価は点数制。地方在住フォトグラファーがど田舎のシネコンでネタバレあり&あらすじ&見たまま感想ブログ

映画「イソップの思うツボ」昨年度BEST監督の上田慎一郎はこの先どこへ向かう?ここ10年見た中で歴史的駄作。東宝は金返せ!

2018度NO1の評価をしたのが「カメラを止めるな」

監督&脚本の上田慎一郎が文句なしの傑作だった。

その上田の次作(2018年公開「ブルーサーマルVR -はじまりの空-」はVRシアターが近くにないので見れず)は、題材がどうであれ見なければならない。

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公開4日目の昼下がり、ご近所スーパーシネコンに客はたった2人

これはしかたない。

ヒットドラマの焼き直しでなく、大ヒット漫画の映画化でもなく

ジャニーズも、一人のイケメンも、綾瀬はるかもいやしないのだ。

上田慎一郎」の名前も、九州のど田舎までは伝わらない。

それでいいではないか。

面白ければ人は来る。1年前に彼が証明したばかりだ。

 

あらすじも、予告編CMも見ていない、何の情報もないまま座席に座れた訳で

トリッキーな上田映画鑑賞には理想的な形でスタートした。

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あらすじ)

主人公の亀田美羽(石川瑠華)は、友だちのいない内気な女子大生。人気タレント一家の娘である同級生・兎草早織(井桁弘恵)が、うらやましくて仕方がない様子だ。ある日、臨時講師として八木圭佑(高橋雄祐※高ははしご高)が学校にやってくる。彼の爽やかな前髪に早織は夢中になっていくが、美羽はそんな姿を遠くから眺めていて……。一方、父と復しゅう代行業を営む戌井小柚(紅甘)は、その日暮らしを送る自身の人生に思いをめぐらせていた・・・

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物語は意味不明、サスペンスは中途半端

共同監督のせいか、3者個別シーンの表現が違うのでリズムが違う。

ラストシーンありきで、盛り上げるためにカードを並べてみた程度の

一切の感情を揺さぶられることは皆無で、虚無感しかない。

 

場内全シーンで無言(私含め2人なので当然だが)

観終わってシーン。

なんだこれは?

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これはドラマか?

これは映画なのか?(大スクリーンと音響がいるのか?)

つまりこれはエンタメではないのだ。

「我らの」(これは最上級の褒め形容詞)上田慎一郎がね。

一体どうしたんだろう。

 

大学の映研でもこんなドラマは作らない、いや作れはしない。

恥かしいからだ。

作り直しか、仲間内試写で話のつまみ程度だろう。

 

ましてや全国の不特定多数の映画ファンから1000円以上の金を取るなんて出来やしない。映画会社はやってはいけない。

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せめて公開にあたり、日本映画史上初の「面白くなかったた返金付き」にしなくてはいけなかった。よくも一般映画と同額にしたな!酷いな。

子供の頃から東宝でマンガ祭り、ゴジラマタンゴ若大将シリーズ・・散々見てきたのに、なんでこんな仕打ちを50過ぎて受けないといけないのか?

80年以上、日本のエンタメ界のリーディングカンパニーとして最大のスクリーン数を持つ矜持はないのか?

(よくも今年、一律に入場料を100円値上してみせたもんだ)

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それにしても上田慎一郎

「カメ止め」がピークでいいのか?

 

日本映画界久々のヒーロー登場で、名声を得て、映画演出のみならず脚本、CM、ドラマ、ゲームなどコラボしたい企業は引く手あまただろう。

 

今なら無理な企画も通る、予算もある、演出の自由度は広がる・・・

その中で、このありさま。

 

昨年エンタメ界一の「登り坂」が

わずか1年で「まさか」を超える真っ逆(さか)さま

 

本来の持ち味をもはや期待していいものかどうか・・・

次回までは見守りたい。

立て、慎一郎。

 

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