映画「凪待ち」香取慎吾、大きい体、ギャンブル依存、斜め回転・・・クズ男再生のリアル。今年の邦画NO1
3連休最終日。
「海の日」の祝日にわざわ白石和彌フィルムを見ないといけないのか。
それは白石だから。
「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年)で感心させられたのに
「孤狼の血」(2018年)だけしか見ていない。
「サニー/32」、「止められるか、俺たちを」
ピエール滝の最終出演であろう「麻雀放浪記2020」3本をスルーしてしまった。
九州のど田舎では公開時期が短いのだ。
いつものご近所スーパーシネコンは、ちびっことファミリーでごった返す中、白石フィルムなんか、いかに元SMAPとはいえ閑古鳥と思いきや、20%も入ってる。
”これは何かある” いい予感の中スタート
あらすじ)
無為な毎日を送っていた木野本郁男は、ギャンブルから足を洗い、恋人・亜弓と彼女の娘・美波とともに亜弓の故郷である石巻に移り住むことに。
亜弓の父・勝美は末期がんに冒されながらも漁師を続けており、近所に住む小野寺が世話を焼いていた。
人懐っこい小野寺に誘われて飲みに出かけた郁男は、泥酔している中学教師・村上と出会う。彼は亜弓の元夫で、美波の父親だった。ある日、美波は亜弓と衝突して家を飛び出す。
亜弓は夜になっても帰って来ない美波を心配してパニックに陥り、激しく罵られた郁男は彼女を車から降ろしてひとりで捜すよう突き放す。その夜遅く、亜弓は遺体となって発見される・・・
最初の違和感が、じきにしっかり者の姉さんに変わる巧さ。
娘役の恒松祐里が10代少女のリアルだしてくる。
印刷会社の同僚は底辺俳優やらせたら日本一の黒田大輔だが、今回も見事。
何といっても我が郷土福岡筑豊が産んだアンチスター、リリー・フランキーがまたまたまた変幻自在の素晴らしさで、全部持っていく。
妻を震災に、娘を殺人で失う父親役の吉澤健が最終版のキーマンで希望の鍵の受け渡し役に。
他にも競輪闇営業グループ、ヤクザとしか思えない刑事などなど、脇役のアンサンブルがドンピシャで久々に日本語のドラマのやりとりを堪能できた。
香取の大きな体で、人は悪くないがギャンブル依存、決断しないクズ男、暴力を厭わないシーンがこれでもか、と見せてくれる。
香取の”斜め回転”が始まったら面白いことが始まる。
こんなクズ男のリアルと血のつながらない故の再生がスクリーンで目撃できる。
彼の映画、ドラマほとんど関心がなかったが、40超えて熟成してこその「味」出てきた。コメディ三谷じゃなくて、まさかのバイオレンス白石だったとはね。
今年見た日本映画でNO1
95点