映画「THE GUILTY/ギルティ」驚異の満足度100%の宣伝文句に乗せられるも、「密室」過ぎて酸素も感動も不足に。
3月公開(九州・福岡)はいつもハリウッドバカ作品と、邦画のお子様映画が多い中、ヨーロッパ系サスペンスとは珍しい。
「驚異の満足度100%」これは凄そうだ。
大好きな北欧デンマーク映画だし、緊急事態対応映画は時間軸が一通でわかり易い。
あらすじ)
アスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)はある事件をきっかけに警察官として一線を退き、緊急通報司令室オペレーターとして、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど些細な事件に応対する日々を過ごす。
ある日、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣いなど、微かに聞こえる音だけを手がかりに、アスガーは事件を解決することができるのか・・・
特筆すべきはこの映画のシーンは3つしかない。
同一ビルのオペレーター室、その奥の個室、および廊下
家族も恋人も出てこないので職場の同僚しか現れない。
同僚とのコミュニケーションが無いし、関係は悪い。
ジョークもなければ、回想も何もない。
時間軸は一通なのでわかりやすい。
この潔さ。
電話の声だけが手掛かりで犯罪を防ぐ。
映画は会話だけを映すのでアップばかり。
会話内の犯罪を縦糸に、自分の今の状況が終盤に絡んでくる。
アイデアの勝利。
だけど、全編このトーンだと物足りない。
「抜けがない」のだ。
抜けないドラマを作ったと言われれば仕方ない。
ドラマには何らかの「青空」が欲しい。
1シチュエーション映画としては革新的かも知れないが「手法」は評価されても
感動にはならない。
60点
ただし、この手の映画が世界的にどんどん増えていく予感はある。
SONYのα7R3などあれば大スクリーンのクオリティには十分だ。
アイデアさえあれば、小人数、セットなしのオールロケか室内で1か月で撮影完了。Macbookで編集、音入れなど数か月で終わる。
予算は100万以内、出来上がってからドラマをテレビ局や映画会社に売る。
「令和」はミラーレス一眼の本格的な普及から
静止画撮って「インスタ」アップよりも、その圧倒的な軽さから
動画撮影で誰でも個人映画作家となり世界中で「カメラを止めるな」的な作品が見れる。