映画「スターウォーズ フォースの覚醒」 3
さていよいよ批評なのだが・・・
もともと私はこういう映画がそんなに好きではない。
フランソワ・トリフォーの男女間のぐちゃぐちゃした感じや
ラース・フォン・トリアーの突破感やミヒャエル・ハネケの不快感などが
大好きなんであって、ジョーニー・デップの海賊シリーズ、クモ男とか、アメコミヒーローとか好きではない。
頭の10分見たらもういい、映画の中のアメリカ人はバカばっかりと感じてしまう。
狡猾に、資本主義を使って世界経済を支配しようとする功利主義の顔を忘れさせるための世界戦略かとうがった見方をしてしまう。
(かといってインディアナ・ジョーンズは楽しかったが)
どちらかと言えば、ヨーロッパ映画人が描く市井のヨーロッパ人の物語が好きなのだ。
SFXは一部「ゼロ・グラビティ」などは宇宙リアリティ物は別にして、見ていると自分がバカになるようで嫌で楽しめない。
今回はそのレーダーズのハリソン・フォードとヨーロッパ人のマックス・フォン・シドーが出ているし、監督が若手のホープに変わってどうSFXが進化したか確認したかった。
クモ男やアメコミものの狭い大都会での空飛ぶ追っかけよりはこの広い宇宙空間で、自在に飛び回るカッコ良さは他の追随を許さない。見事だと思う。
恋人や仲間とポップコーンを食べながら楽しむのは最高だと思う。
あとは、この広大な宇宙空間で繰り広げられる余りにちっぽけな5人の家族の物語を
40年かけて作りあげたルーカスの誇大妄想を支持できるかどうかだ。
・アナキンVSルーク親子
・ルークVSレイア姫の双子の兄妹
・ハンソロ親子
私には物語には感慨がない。
視覚効果のみを30分くらいにまとめてプラネタリウムやUSJの魔法使いコースター的にしてくれると嬉しい。
むしろどうやって世界最大のインディーズ映画シリーズに出来たのか、ルーカスのビジネスセンスの方が大いに興味がある。
この宇宙空間版、「寅さん」または「渡る世間は鬼ばかり」なのだ。
好きか、嫌いかしかない。
70点