批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー宇多丸氏、たまむすび町山智浩氏、シネマストリップ高橋ヨシキ氏を見習って公開初日最速レビューを心掛け評価は点数制。地方在住フォトグラファーがど田舎のシネコンでネタバレあり&あらすじ&見たまま感想ブログ

映画「メッセージ」公開初日最速レビュー!(主演:エイミー・アダムス 監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ)10年に1本の傑作。SFでありながら「子供=命=愛」を描き、UFOや宇宙人との交流が ”あなた” の物語になる。2回目がより感動する稀有なドラマ

シン・ゴジラ」級に公開初日が待ちどうしかった。

 

アメコミとかのハリウッドバカ映画はストーリーも結末もあってないも同然。

見にいかないので関係ないが、この手のシリアスものは出来るだけ先入観無しでみたい。公開後はネットで一気にいろんな情報が溢れるので初日しか考えられない。

 

SFで、科学者が主人公で、未知なる者との交流がテーマで・・・

映画館の大スクリーンで見るべきだ。

 

政令指定のF市、金曜2回目スタートはシニアを中心に7割の入りで期待は高まる。

 

21世紀版「2001年宇宙の旅」?「未知との遭遇」?

 

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あらすじ)

突如現れた12個の未知なる飛行物体“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを解読しようとする人間たち。

言語学者のルイーズはヘプタポッドと呼ばれる知的生命体が、人類にとって平和の使者なのか脅威なのかを判断するために、彼らと接触し言葉を理解してほしいと軍から依頼を受ける。

物理学者のイアンとチームを組み、人間のものとは全く異なる、まるで動く絵画のような異質な言語解読に没頭するうちに、ルイーズは時間が逆行するような奇妙な錯覚に陥っていく――。

そして言語の謎が解けたとき、彼らが地球にやってきた驚くべき真相と、人類に向けた美しくもせつないラストメッセージが明らかに。

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まずエイミーが50年代ハリウッド女優のようなクラシック感が際立つ。

大学で教える言語学者。

大学出ていない私はそれだけで憧れてしまう。

冒頭、子供を失う母を完璧に演じてシンパシーはエイミーに一気に傾く。

 

そして宇宙船登場。

ここから言語学者のエイミーによる謎解きが始まる。

 

現在進行形では宇宙人との共存を背負った世紀のアプローチと

随所に亡き子供との彼女の心の中の物語がランダムに描かれる。

 

現在進行形に「過去」がインサートされる。


観客は、この「過去」が解読への伏線であり手がかりと解釈する。

 

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開始30分でもう余分なシーンも登場人物もない。

仲間の物理学者と異星人2匹と亡き子供の5人しかいない。

地球のこの一大事にこの5人(一人は死んでいる)とは・・・

 

このバッサリとした省略がラストで劇的な見たこともない

エンディングを見せる。

 

唖然とする。深いね。

映画って素晴らしいと久しぶりに思った。

 

初回の伏線を1度では回収できない。
2回目にもっと心揺らされる気がする。 

 

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ここからは何も書けない。

何のヒントも無いほうがいいよね。

(後日ネタバレ含め完全版をUPしたい)

 

音楽のヨハン・ヨハンソンがここでも素晴らしい仕事をしている。

弦楽器のメインテーマも良いが

この聞いたこともないリズムが21世紀のクールミュージックだね。

 


Jóhann Jóhannsson - Heptapod B [From "Arrival" Soundtrack / Pseudo Video]

 

言えるのは異星人とのコミュニケーションを扱いながら

実は孤独な人の悲鳴を描いてる。

 

人は悲しく、だからこそ愛おしい。

一人で生きるのはつまらない。

愛についての物語だ。

 

この監督、1年前に見た傑作「ボーダーライン」の監督ではないか。

映画「ボーダーライン」 ドゥニ・ビルヌーブ監督 エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

 

映画「灼熱の魂」も見ていた。

女であることの悲劇を前から描いていたんだね。

 

クモ男とかこうもりとかスーパー何とかとか

見た誰もが、バカになるようなハリウッド映画と

バカのようなタレントを主役にしたスクリーンで見るの値しない

映画もどきの日本映画が多い中で

今こそ現代人が見るべきだと思う。

 

上映館が少ないのですぐに公開終了になるだろう。

 

生涯の忘れられない1本になるか?

私は10年に1本の傑作になった。

 

200点

 

こういう映画を見たいがために、映画ファンは映画館へ足を運ぶのだ。

私が生きてる理由の一つだ。

 

おまけ)監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの次回公開作


映画「ブレードランナー2049」日本版予告 第2弾