映画「進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド」(後編)
前編の混乱・混迷・混沌の出来損ないぶりから1か月半。
期待値はいやが上にも上がり、まさか前篇を軽く凌駕する超出来損ないになっていた。
見事に期待を裏切らない。
仲間が巨人になり
その巨人が巨人を倒す。
なぜ倒すのか?
さっぱりわからない。
巨人を作り出したのが政府
壁をそびえさせたのも人間の思慮を奪うため
自由を奪って従順さだけの国民を作りたいが為に・・・
しかしその政府が描かれない。
政府の首脳陣はどこにいる?
何の為にそんなことしているのか?
さっぱりわからない。
セリフで謎解きの禁じ手を使うもんだから
マーロン・ブランド級ならともかく
俳優というよりタレントたちの
小芝居に次ぐ小芝居。
イマジネーションは広がらず
納得も了解も出来ず
その場しのぎの「そういうものか」状態
もはや巨人は人を食わず、敵にあらず
政府の象徴は「壁」となって、その爆破が目的化し
爆破は成功し仲間の巨人は倒れ、見たかった海が現れる。
前篇で現れた大量の巨人たちはいずこへ?
政府へ打撃は与えたのか?
何が何だか支離滅裂にさせてやたら長いエンドロールの後に
さらにわからない謎かけがあって(パート3の前振り)
このオマケは本編が上出来の時に観客が許すのであって
この出来損ないでやっちゃダメでしょう。
セリフだけが大げさで、思想の見えない、薄っぺらい映像を
2時間かけて見せられた圧倒的な不快感。
マンガが薄っぺらいのかどうかは10ページも読んでいないで
何ともわからない。
が、30年映画見てきて映画ファンがソッポを向くにふさわしい
大作映画の失敗作の見本となる記念碑。
5点