映画「マッドマックス 怒りのデスロード」
本年最高の洋画(9月時点で)
物語)
資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む・・・
前作『マッドマックス/サンダードーム』以来、27年ぶりに製作された『マッドマックス』シリーズの第4作
核兵器を用いた大量殺戮戦争を勃発させ、環境は汚染、生存者は物資と資源を武力で奪い合い、文明社会が壊滅した世界・・・
人間の姿をしているが、心のない為政者イモータン・ジョーと軍隊と
自由を求める抵抗者(全員女性)の勝ち目のない戦いに
巻き込まれた元警官マックスのサバイバルドラマ
大スクリーンで見るべき活劇の楽しさを再発見させてくれた。
スタートからアクセル全開のクライマックス感。
舞台は砂漠なので、カーチェイスの殺しあい。
「逃亡と追跡」劇を2時間以上見せられる。
(途中おばあさん達による癒しの時間が入るが)
最近の映画は洋画邦画問わずセリフが多い。
キャラ立てか、伏線張り(ラストでどんでん返し)か、意味不明かの
3パターンのどれかをやってしまい、夜9時のホームドラマみたいで
そんなものは映画館で1800円に値しない。
さすがジョージ・ミラー
役者に最低限のセルフしか与えず
第1作の原点に返って、サイレントの力強さで、映像で見せる。
余計なものがない潔さがクリント・イーストウッドに似ている。
何にもない砂漠が美しい。
車の上で左右に揺れるサーカス軍団と
巨大スピーカーのギター男
壊れた世界をその存在で見せる。
スピード、アクション、サスペンス、
ハリウッドバカ映画(アメリカンコミックの映画化など)とは一線を画し
映画作家の一貫した2時間の世界観=ジョージ・ミラー70歳の妄想を
われらの妄想に映像で変えてみせた。
そのエネルギーがスクリーンから伝わったのだから心揺さぶらずにはおかない。
脱帽し、感服し、落涙する。
こういう作品を日本人の手で作れる日が来るのだろうか?
鳥取砂丘で大カーチェイスとか・・・無理だな。
狩猟民族のDNAがないとね。
この4作目を新たなサーガ1作目として、マッドマックス5、6が公開される。
デズニー製作のスターなんとか3部作はどうでもいいが
こちらは見ないと気が済まない。
100点