【追悼と感謝】野際陽子★昭和ドラマ最高の女優はアクションからシリアスまで知性あるヨーロッパのセクシーさを見せてくれた!
70年代のテレビドラマと言えば
サスペンス&セクシー部門は何と言っても土曜の「キイハンター」と
シリアス部門では金曜の「岸辺のアルバム」
共にTBS(後日まとめる)
丹波をリーダーとするスパイ組織がさまざまな敵をやっつける。
子供の私は何と言っても野際陽子のカッコ良さに惚れた。
元夫の千葉真一のスタントマンなしアクションもすごかった。
あの鋭い眼差し、長い手足
知性的な声、頭の回転の速さ
セリフがまた都会的なんだな。
日本女性なんだけどアメリカじゃないヨーロッパの香りだ。
いまでもヨーロッパ映画が好きなのこともこの野際陽子の存在が大きい。
ドラマのテンポの速くてトイレにも行けないスピードで誰かが殺されあっという間に解決される。
セクシー路線は30代で終え、その後も「冬彦の母」「月影先生」
「温泉マル秘」「弁護士なんとか」など様々なドラマに出演する。
声優にもエイリアン(フジTV版)でシガーニー・ウィーバー役で緊迫感が伝わってくる。
【エイリアン 製作35周年 H.R.ギーガー追悼】日本語吹替収録ブルーレイ
そんな彼女が逝ってしまった。
昭和を代表する女優は大原麗子とかたくさんいたけど
個人的に、70年代初めから約40年間ものすごく楽しませてもらった。
シリーズものの出演が多いのでたぶん1000本以上のドラマは確実に見ている。
最も見てきた女優のトップ3に確実に入る。
以下の様にゲスト出演もあるのでもっとかな。
野際陽子の知性あるカッコ良さを今の女優やタレント、モデルに学んで欲しい。
ハッとする美しさ。
自立した都会に生きる女性の強さ、狡さ、そして優しさ。
女性の持つ全部を40年かけて表現されて。
本当に感謝しかない。
ジャワカレーを食べる時は思いだそう。
本年度最高の1本★映画「メッセージ」2回目完全ネタバレ解説(過去と思わせる未来は反則か?)
公開初日で見た「メッセージ」がこれまでのところ今年見たNo1だ。
ムビチケをラジオ局から頂いたので日曜18時
九州の田舎のイオン内シネコンで6人くらいで見る。
初回では細かすぎて見落としていたものが多々あったので
セリフの隅々までしっかり見ることができるのが2回目以降だ。
冒頭、主人公の言語学者ルイーズが娘を病気で失うシーンで始まる。
父親は出てこないのでシングルマザーなのかも知れない。
一人で娘と生きている共感が醸成される。
この娘とのシーンをAとする。
大学の授業中にUFOが降りてきてエイリアンとの
コミュニケーションを軍人らと一緒に調査分析していく。
「彼らはどこから来て、目的は何なのか?」
この現在進行形がBだ。
随所にAが割り込んでくる。
最初はこのイメージが彼らの言葉を解析する手がかりになるのだろうと
思っているとAは実は過去ではなく、未来だとわかってくる。
つまりこの時点で、ルイーズは母ではなく夫もいないのだ。
このプロジェクトで出会うのだ。
彼らは3000年後に地球に救ってもらう為にやってきた。
今から地球人とコミュニケーションをスタートしたいと。
駅前留学みたいなものか?
彼ら自身も予知能力があるのだ。
中国チームの攻撃を阻止したいルイーズは
ここから超能力を活かす。
(この辺りはかなり強引でご都合主義だが)
エイリアンは彼女の予知能力を見抜き開花させ
攻撃を中止させUFOは去っていく。
ルイーズは数々のイメージから
彼女が結婚し、娘を産み、病気で死ぬとわかった上で
夫と生きていく決心をするところで映画は終わる。
この映画はエイリアンとの遭遇を表のテーマにしながらも
能力の開花、夫との出会い、一時の幸福と、夫や子供との別れを
わかった上で受け入れる女性の数奇な生き方が裏のテーマに描いている。
構成上、Bからスタートして、Aが出てくるのなら
ルイーズの1人称の心象風景なので問題ない。
何故かはわからないが、子供と遊んでいるイメージが現れる
のは納得できる。幻影で処理できる。
しかしAが先にある。
全編ルイーズ主観なのに
この冒頭はいったい何なんだと言いたくなる向きもあるだろう。
ここが監督のマジックだ。
ルイーズを悲劇の主人公にすると同時に亡くなる子供との幸福を見せる。
プロジェクトが始まってからではこの悲劇を挿入すべきタイミングがない。
リズムも感傷も別の種類だ。
ミスリードと言われてもここしかない。
冒頭でいれるとラストまでの時間差があり有効に効いてくる。
その才能が只者ではない。
唯一の欠点は、彼女の過去は実のところ描かれていない。
どんな人生を送り、価値観を持っているのか?
そこは、Aを入れたが為にないのだろう。
そんなテクニックの話よりも
彼女は子供の命を弄んだのか?
あなたならどうする?
そんな根源への問いかけがこの映画の素晴らしさだ。
SF映画の体をとりながら最も身近な家族の命とその選択を描いたのだ。
いい映画はそういうもんだ。
恋愛映画であろうとなかろうと
サスペンスでもホラーでもSFでも
ラストシーンでは人の生き方に関わる重いものを描いてくれる。
次回は、我らがリリー・フランキーの「美しい星」予定
今年公開の邦画のだらしなさに比べ「海街Diary」をアマゾンで動画配信で見るとまったりできていいな。是枝裕和「3度目の殺人」黒沢清「散歩する侵略者」北野武「アウトレイジ最終章」と3名人が公開される秋まで待つしかない。
「メッセージ」ような映画が毎月見れたら本当に幸せなんだけどね。
見たい映画がない。
朝、何気にアマゾンプライム見ていたらもう「海街」やってて2年ぶりか・・
2回目の鑑賞だけど、macbookで留めたり動かしたりでセリフの細かいところまで確認できるのでこれはこれで楽しい。
夏帆がいい感じだ。
21世紀にいそうでいないアナログ感。
彼女にも助演女優賞をあげるべきだったな。
色気が出てきてこれからもっと映画に出て欲しい。
この秋、3Kの新作が一気に公開される。
9月9日に是枝のミステリーと黒沢のモダンホラーSFが同時公開
10月7日に北野バイオレンス・・・
是枝裕和「3度目の殺人」
黒沢清「散歩する侵略者」
映画『散歩する侵略者』特報【HD】2017年9月9日(土)公開
映画『アウトレイジ 最終章』特報【HD】2017年10月7日公開
日本映画はここ5年見ていると、監督はどうでもいいジャリタレの学芸会か、ドラマもやりますナンチャッテ監督と、才能の枯れた中年有名監督の出来損ないアクションと、3K(koreeda、、kurosawa、kitano)の4つに大きく分けられる。
(庵野秀明も入れたいがアニメの人のようで、ちょっと微妙)
アメリカでは新人がどんどん出てくるのにね。
びっくりするような若手が出てきて欲しいんだけど
ビジネスの方に人材流出してようで映画界には無理のようだ。
マーケットが小さいからか?
DVDも動画配信もあるし2次、3次を著作権収入はあると思うが・・・
3Kも20年でいなくなる。
その先日本映画はどうなるんだろう。
石田えり(56歳)祝アウトデラックス!ヘアーヌード写真集史上NO1から20年。RIZAP★ライザップCMのビキニ熟女臭が悩ましくも美しい。ダイエット・サーフィン水着動画流出?
祝アウトデラックス出演
若いな。
姿勢いいし、存在感があってね。
十分セクシーだ。
石田えりは特別な女優だ。
彼女のデビュー映画を公開前に確か試写会で見ている。
ずっと見てきたので人生の同期かな。
本名)内田 恵理子
生年月日)1960年11月9日
出生地)熊本県八代市出身
身長162cm 血液型A
配偶者)ミュージシャン・芳野藤丸(1985年 - 1990年)
出演映画 『遠雷』『ちょうちん』『嵐が丘』 『釣りバカ日誌シリーズ』『華の乱』 『ダウンタウン・ヒーローズ』 『飛ぶ夢をしばらく見ない』 『サッド ヴァケイション』
とてもオープンな人柄と、率直な発言、表現が大好きだ。
それがこちらに届くから、こういう人を本物の女優だと思う。
40年近くファンをやってる。
タレント、グラビア、女優の写真集はこれまで沢山でている。
大手出版社で最初のヘアヌードがソフトバンクCMのお母さん女優の樋口可南子で、以降、宮沢えりとか数えきれない本がでているが
石田えり「1979+NOW」の2冊組がベストだ。
樋口も宮沢も石田もフォトグラファーは篠山紀信
「1979」1960年生まれの10代の少女と
「NOW」では1997年の30代の体の変化が堪能できる。
モノクロで描かれた大人の女の圧倒的な存在感
乳房、乳首、腰、尻、肉付きから見えるたくましさとかいやらしさ
目の前に生身の女がいるリアリティ
改めて女優の表現力の素晴らしさを見た。
この写真集の豊かさを超えるヌードを古今東西見たことがない。
それからさらに20年
釣りバカの映画やTV、舞台に熟女、母親役として活躍する。
CMでまたビキニを見れるとは驚いた。
この年代の腹周りは脂肪だらけで体をとにかく丸みをおびる。
石田えり、56歳
ライザップで痩せるのか?
成功したんだね、写真を見ると明らかに。
信じられない56歳!
こんな美しいサーフィン熟女見たことない。
歳を重ねた落ち着きで、いい感じに波と遊ぶ。
会見インタビュー
チャレンジ前
RIZAP(ライザップ)「石田エリ、脱ぎます篇(インタビュー)」
50代でビキニもサーフィンも恋も大歓迎だ。
またヘアヌードも見たいし、映画館で彼女主演なら何でも見たい。
子供が主演とアニメばっかしでは日本映画はつまらない。
大人の女性ドラマ復活で主役をぜひやって欲しい。
若き石田のはじけるヌードが見れる「遠雷」は見事な青春映画だった。
病気で死ぬデビュー作からこの作品で表現者として「女優」を確立したと思う。
彼女は再び60歳までにヘアヌードに挑むという。
おそらく篠山よりもヘルムート・ニュートン側に近いと思う。
彼独自の、女性も静物の一部にするSM世界観で話題になった。
罪(immorale)―石田えり写真集 (FRIDAY DELUXE)
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RIZAPCMによるここ数か月のメディア露出がやっと収まった感がある。
50代の女性が輝くと日本が輝く。
(なんて、自民党みたいなことを言いたくはないが)
しかし、石田えり主演ドラマをキー局のゴールデンで見たい。
全員50代のメロ不倫ドラマとか見たいな。
じわじわ老いが迫る世代の、反撃、プロテスタント、逆襲をね。
ガッキーとか石原さとみ。北川景子など30前後の子供ドラマが多すぎる。
(彼女たちのせいではないけれど)
地上波が無視なら制限のゆるいアマゾンやNETFLIXの手もある。
お笑い番組が多過ぎる。
熟女を、本物の大人を主役にしろ!
そういつも思う。
【ザ・ビートルズ世界同時発売】サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド50周年記念(スーパー・デラックス・エディション)CD+DVD+LP+Blu-rayなど解散してもビジネスで大儲け
1967年にLPレコード(当時はCDもDVDのなく、デジタル時代ではないので)が出て50年か?
The Beatles – Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band – Anniversary Edition Trailer
その間にジョン・レノンが殺され、ジョージ・ハリスン亡くなり、プロデューサーのジョージ・マーティンも逝ってしまった。
その間に、CD、DVD、ブルーレイになり
95年には新曲「フリー・アズ・ア・バード」が出る。
YouTubeを見ていていつも思うけど
デジタル映像の量と質が圧倒的に多くて高い。
当時から録音、録画への情熱があった所以だろうけど
メーキングもあるし、見たこともないアニメーション、アウトテイク
そして過去の正式映像、音源をデジタル処理された高品質版
The Beatles - A Day In The Life
これ以外に
BBCなどが特集したドキュメンタリー映像
ファンが音源に合わせて勝手に作ったアート作品などなど。
世界中で50年前のアルバムなんて山の様にあるけど
世界同時発売で、リマスター、リミックス
今回はTシャツ付きだよ。
(色違い、サイズ違いでがあるのは笑ってしまう)
【早期購入特典あり】サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)+50周年記念ラグラン・シャツ(B-Lサイズ)付【予約特典:A2ポスター付】
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【早期購入特典あり】サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)+50周年記念Tシャツ(黒Lサイズ)付【予約特典:A2ポスター付】
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【早期購入特典あり】サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)+50周年記念ラグラン・シャツ(B-Mサイズ)付【予約特典:A2ポスター付】
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彼らは解散してからが宝の山だね。
わかっちゃいるけど買ってしまうし聞いてしまう。
本物は不滅です。
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
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映画「メッセージ」公開初日最速レビュー!(主演:エイミー・アダムス 監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ)10年に1本の傑作。SFでありながら「子供=命=愛」を描き、UFOや宇宙人との交流が ”あなた” の物語になる。2回目がより感動する稀有なドラマ
「シン・ゴジラ」級に公開初日が待ちどうしかった。
アメコミとかのハリウッドバカ映画はストーリーも結末もあってないも同然。
見にいかないので関係ないが、この手のシリアスものは出来るだけ先入観無しでみたい。公開後はネットで一気にいろんな情報が溢れるので初日しか考えられない。
SFで、科学者が主人公で、未知なる者との交流がテーマで・・・
映画館の大スクリーンで見るべきだ。
政令指定のF市、金曜2回目スタートはシニアを中心に7割の入りで期待は高まる。
21世紀版「2001年宇宙の旅」?「未知との遭遇」?
あらすじ)
突如現れた12個の未知なる飛行物体“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを解読しようとする人間たち。
言語学者のルイーズはヘプタポッドと呼ばれる知的生命体が、人類にとって平和の使者なのか脅威なのかを判断するために、彼らと接触し言葉を理解してほしいと軍から依頼を受ける。
物理学者のイアンとチームを組み、人間のものとは全く異なる、まるで動く絵画のような異質な言語解読に没頭するうちに、ルイーズは時間が逆行するような奇妙な錯覚に陥っていく――。
そして言語の謎が解けたとき、彼らが地球にやってきた驚くべき真相と、人類に向けた美しくもせつないラストメッセージが明らかに。
まずエイミーが50年代ハリウッド女優のようなクラシック感が際立つ。
大学で教える言語学者。
大学出ていない私はそれだけで憧れてしまう。
冒頭、子供を失う母を完璧に演じてシンパシーはエイミーに一気に傾く。
そして宇宙船登場。
ここから言語学者のエイミーによる謎解きが始まる。
現在進行形では宇宙人との共存を背負った世紀のアプローチと
随所に亡き子供との彼女の心の中の物語がランダムに描かれる。
現在進行形に「過去」がインサートされる。
観客は、この「過去」が解読への伏線であり手がかりと解釈する。
開始30分でもう余分なシーンも登場人物もない。
仲間の物理学者と異星人2匹と亡き子供の5人しかいない。
地球のこの一大事にこの5人(一人は死んでいる)とは・・・
このバッサリとした省略がラストで劇的な見たこともない
エンディングを見せる。
唖然とする。深いね。
映画って素晴らしいと久しぶりに思った。
初回の伏線を1度では回収できない。
2回目にもっと心揺らされる気がする。
ここからは何も書けない。
何のヒントも無いほうがいいよね。
(後日ネタバレ含め完全版をUPしたい)
音楽のヨハン・ヨハンソンがここでも素晴らしい仕事をしている。
弦楽器のメインテーマも良いが
この聞いたこともないリズムが21世紀のクールミュージックだね。
Jóhann Jóhannsson - Heptapod B [From "Arrival" Soundtrack / Pseudo Video]
言えるのは異星人とのコミュニケーションを扱いながら
実は孤独な人の悲鳴を描いてる。
人は悲しく、だからこそ愛おしい。
一人で生きるのはつまらない。
愛についての物語だ。
この監督、1年前に見た傑作「ボーダーライン」の監督ではないか。
映画「ボーダーライン」 ドゥニ・ビルヌーブ監督 エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン - 批評サムライ ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~
映画「灼熱の魂」も見ていた。
女であることの悲劇を前から描いていたんだね。
クモ男とかこうもりとかスーパー何とかとか
見た誰もが、バカになるようなハリウッド映画と
バカのようなタレントを主役にしたスクリーンで見るの値しない
映画もどきの日本映画が多い中で
今こそ現代人が見るべきだと思う。
上映館が少ないのですぐに公開終了になるだろう。
生涯の忘れられない1本になるか?
私は10年に1本の傑作になった。
200点
こういう映画を見たいがために、映画ファンは映画館へ足を運ぶのだ。
私が生きてる理由の一つだ。
おまけ)監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの次回公開作
映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」公開初日最速レビュー!ケネス・ロナーガン監督 ケイシー・アフレック ミシェル・ウィリアムズ 登場する誰もが、少年も大人も、うつむき、うなだれ、傷ついている海辺の地方都市スケッチの謎
公開前の「傑作」の呼び声高く、大いに期待していた。
公開初日の18時半、九州のど田舎シネコンは見事に10人弱。
この映画館の魅力は、アート系がいつも10人弱で見れるので自由に座席移動ができること。
このポスターだけで、昨年見た映画ベスト10に入る
「オーバーフェンス」 監督:山下敦弘に通じる何かを感じていた。
社会と折り合いのつかない男の再生物語・・・そんな感じ。
ケイシー・アフレックがオスカーの主演男優賞を獲ったことはどうでもいい。
何といってもミシェル・ウィリアムズが出ている。
不幸な労働階級のアメリカ女性を演じさせるとピカ一だ。
ショートカットがその影も含めてたまらなくクールだ。
マリリンモンロー演じても圧倒的な存在感で素晴らしかった。
あらすじ)
アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラーのもとに、ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョーが倒れたという知らせだった。
リーは車を飛ばして病院に到着するが、兄ジョーは1時間前に息を引き取っていた。リーは、冷たくなった兄の遺体を抱きしめお別れをすると、医師や友人ジョージと共に今後の相談をした。
兄の息子で、リーにとっては甥にあたるパトリックにも父の死を知らせねばならない。ホッケーの練習試合をしているパトリックを迎えに行くため、リーは町へ向かう。
主演するケイシー・アフレックの圧倒的な薄幸の何でも屋の仕事でもオーラの無さ。
コミュニケーションの欠如、興奮すると何かにつけてFU●Kを連発する、もちろん手も早い粗暴感・・・
マイナスオーラは終始一貫して存在感を維持する。
こんなアメリカンアンチヒーローは初めて見る。
場面は現在の時間軸に過去シーンを短いカットでどんどん入れてくる。
その強引さが潔い。
2003年とかテロップでもあるとわかりやすいのだが・・一切ない。
その過去シーンは複数あるので最初はとまどうね。
ちょっとでもトイレに行ってると大事な伏線を見逃してしまう。
兄に死と残された息子の養育を巡って、故郷に帰ってくる粗暴な弟とその関係者がだれも皆、傷をかかえ、うつむいている。
笑うシーンは一つもない。
映画館は不思議な緊張感に包まれる。
もはやアメリカ映画のバカバカしさは一切ない。
労働階級の悲劇でもない。
余りに大きな傷を抱えた男の心象風景を見せる。
それに付き合わされるので所謂カタルシスはない。
元気な大人も映画の後は鬱になりそうな
傷ついた夫婦のかみ合わない心情の吐露
なんとリアルなんだろう。
希望も「き」の字もありゃしない。
エンドマークが、この鬱状態が終わる解放感で満たされる。
これまで見たきた映画の文法にはない
60年代末に「俺たちに明日はない」に始まったアメリカンニューシネマに匹敵する、ニューウェーブの予感がする。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。
リアルエンドというか・・・
観客に媚びない、一切合切。
これでいい。
70点(人によって生涯最高の1本であっても不思議ではないかも)