映画「葛城事件」 三浦友和・新井浩文・田中麗奈
ハリウッド洋画はスカッっとするか(5分後にはもう忘れているくらいの)
バカバカしいか、の2極分化でその落差は大きい。
それに比べてSFXでは」なくて、ジャリタレが出ない邦画は
3Kでなくても何とか落ち着いて見れる。
新しい才能発掘に立ち会っているような気分もある。
ここ最近のダークサイドの三浦友和の活躍には興味があった。
(ロクヨンはゲスト扱いなので別として)
また近年のいいドラマと映画でオーバーアクトを決してしない
新井浩文もいるし。
この2人を見たくて平日の最終日に見に行った。
地方都市のユナイテッドシネマは15人くらいかな。
これくらいが丁度いい。
黒沢清も北野もそうだけど露出アンダーの絵作りがこの映画でも見れた。
この殺人が絡むとこの質感が実になじむ。
そして郊外の一軒家が主人公。
黒沢の新作でも家が舞台。
どうやら邦画界は隠れた一軒家ブームか?
日本の家族の崩壊の象徴の所以かな。
あらすじ)
父親から受け継いだ小さな金物屋を懸命に切り盛りし、マイホームを手に入れ、妻の伸子(南果歩)と共に長男・保(新井浩文)と次男・稔(若葉竜也)を育て上げた葛城清(三浦友和)。理想の家族と生活を築いたと考えていた彼だったが、21歳になった稔が8人を殺傷する無差別殺人事件を起こして死刑囚になってしまう。自分の育て方に間違いがあったのかと清が自問自答する中、伸子は精神的に病んでしまい、保は勤めていた広告代理店を解雇される。やがて、稔と獄中結婚したという女・星野が現れ……
田中麗菜も肌の露出なくイカレタ平和主義を演じ
南果歩の薄幸感がよく出ている。
新井浩文のリストラ前後の行き場の無さ感、いい人感
不気味さが見事だ。
わがままガンコ親父であることはわかる。
次男が殺人者に、長男が優柔不断に、妻がYESウーマンに
なぜみんな従っているのか?
三浦友数のこころの闇が敢えて描かれない。
また、回想シーンがA、B、Cくらいあって
突然やってくるのがAの時期か、Bなのかが一瞬わからない。
時制を把握させる努力を脚本がしていない。
これやられるとシニアはつらいよ。
平日暇な60歳以上が映画興業を下支しているのに
その辺りの配慮はしないとね。
70年代のTVドラマの最高傑作「岸辺のアルバム」
では実に丁寧に家族4人が描かれ納得できた。
これと比較すると2016年の日本家庭が何とも救いのない
いっぱいいっぱいの状況かわかる。
80点