映画「ゲットアウト」ジョーダン・ピール監督 アリソン・ウィリアムズ 南部アメリカの白人社会の黒人への扱いを不思議なテイストのモダンホラーに仕上げた快作。
たまにムビチケをタダで頂く。
「ゲットアウト」は事前情報がない。白人VS黒人のポスターくらい。
どうやらホラーの様だが大量の血が苦手で気分が悪くなるのでそうならなければいいのだが・・・
今回は九州の玄関口・博多駅中にある月曜18時スタート
ゴージャスな座り心地で落ち着ける。
アクセス抜群でサラリーマンOLさんが多いはずなんだけどそんなに込んでいない。
いいねここは。
あらすじ)
アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる・・
クリスの彼女役の女優アリソン・ウィリアムズがいい。
絵に書いたようなかわいらしさとラブ&ピースの申し子のようなね。主人公のクリスも今風な頼りなさを注意深さを持って職業がカメラマンなのも好感。canon eos 7Dを映画で初めて見た。
冒頭の深夜の散歩する黒人のシーンからゾクゾクしてくる。
この映画は something new があるとピンとくる。
これは「イット・フォローズ」
や「ドント・プリーズ」の新感覚ホラーに連なるか?
そしてドライブ中の鹿飛び出しは「コクソン」でないか!
最近公開された映画のオマージュか? 偶然か?
主人公は、悪魔とか化け物とか、この世の者ではないやつらではなく、自分の彼女の実家周辺の「なんか変」と対峙していく。
深夜に走って来て直角に曲がる黒人
泣きながらNOを言い続ける黒人家政婦
ストロボに反応する黒人
やたらスプーンを廻す女主人
黒人を見る白人の眼差しの異様さ
「変」から「異常」に深化するあたりの不気味さがたまらない。
そしてクリスの親友がいい味出す。
妙にテンション高くて、ヒップホップ的おしゃべり
疑い深く、好奇心旺盛・・・
サスペンスの現場に、彼をサポートする仲間(観客に近い)を入れる脚本がうまい。
脇役が輝くと、ドラマは途端に面白くなる。
謎だった行動と伏線が、見事に回収され
脱出(ゲットアウト)できるのか?
こういう物語は日本で見たことがない。
黒沢清は謎は謎のままだし。
超人もいない、SFXもない、群衆シーンもない。
無名の役者と一軒家だけでこれだけ面白くできる。
日本映画はこれだったら日本中のどの街でも撮影可能だろう。
「映画は脚本が全て」の見事な例
85点