批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー宇多丸氏、たまむすび町山智浩氏、シネマストリップ高橋ヨシキ氏を見習って公開初日最速レビューを心掛け評価は点数制。地方在住フォトグラファーがど田舎のシネコンでネタバレあり&あらすじ&見たまま感想ブログ

映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」世界NO1の38年前の死闘が鮮明に蘇る。かつてテニス少年だった青春時代が思いだされ全英オープン決勝戦の怖さがわかる。

何でいま1980年のボルグ vs マッケンローなのか?

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13歳で中学テニス部に入った私は当然ウィンブルドンの中継はNHKで見ていた。

(当時WOWOWとかスポーツチャンネルないし、ネットもSNSも何にもない)
ヨーロッパのクールイケメン・ボルグに対して、やんちゃなアメリカのガキ(Tシャツが小さくて恥ずかしいマッケンローがボルグの5連覇を阻止して欲しいのでマッケンロー推しで(映画ファンとしては、妻がティータム・オニール(すぐに離婚)というのが羨ましかったのもある)

役者が本当に素晴らしい。全く知らない驚異の新人だ。
ビョルン・ボルグ役のスヴェリル・グドナソンの目の演技

これだけで女性は見る価値がある。

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彼を支える恋人、少年時代からのコーチとの関係も描かれ孤立しながらも「チーム・ボルグ」の絆を描く。

ジョン・マッケンロー役にシャイア・ラブーフは登場時は「?」と思ったがプレー姿のサウスポーがドンぴしゃで「マッケンロースタイル」になってくる。

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2人の性格の違いが交互に映し出されて決勝戦の日が迎えられる。

クールなボルグの真逆の性格を押し殺している実態が生々しい。

こうやって世界NO1になったのか・・・

名作アニメ「エースをねらえ」にあった友情も恋もライバルもありゃしない。

自分との闘いがあるだけ。

 

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様々なプロスポーツ映画を見てきた。

サーフィン、野球、アメフト、アイスホッケー、ボクシング

多くはハートウォーミングで終わるので

ここまで孤独な人を初めて見た。

空港でのラストが嬉しかったな。

 

大坂なおみもこんな中で優勝したんだと思えば大した精神力だと思う。

骨太の人間ドラマで栄光をつかむハングリーが見えた。

音楽と音響が特に素晴らしかった。

全く期待してなかったが、こういう瞬間が映画ファンは至福なのだ。 

 

100点

映画「カメラを止めるな」監督・脚本上田慎一郎「ゾンビ」と見せかけての三谷幸喜★「スティング」+「ロッキー」で劇場が揺れた!映画を作ることの可笑しさと素晴らしさ、家族の絆を見せきった唯一無二の傑作コメディの誕生だ。出世作「正装戦士スーツレンジャー」「テイク8」「ブルーサーマルVR~はじまりの空」予告編などフィルモグラフィー特集

2018年7月20日(金)19時35分

福岡のキャナルシティ博多2番ホールはほぼ満員

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シネコンでは初上映に集まった数百人・・・

この雰囲気は確か

劇場版BiSキャノンボール」監督カンパニー松尾

に似ているがあれはドキュメンタリー

今回は「ゾンビ」のフィクションだから何でもありだろう。

予備知識はそれだけ。(今回はネタバレなしです)

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37分の1シーン1カット以降の話の面白いことと言ったらないね。観終わって拍手喝采だった。

 

 

エンタメ界の絶対ポリシー「SHOW MUST GO ON」を逆手に取った日本版「アメリカの夜」(フランソワ・トリフォー監督1976)とも言える。

 

恐るべき脚本(上田慎一郎)と出演者の熱演

ホラーと思わせながらのコメディ

ダメ親父の踏ん張り、吹っ切れた母親

前しか見ない娘のそれぞれの想いが昇華するラストの美しさにあ然とした。

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SFXなんてなくてもこんなに素晴らしい作品が出来るんだね。

なんとかワールドも、なんとかソロもいらないじゃないか?

 

ぜひ若いクリエイティブの才能が日本映画に集まって欲しい。

是枝のカンヌ1等賞よりも邦画界には意味がある。

これは事件だ。

 

文句なし100点

 


映画『カメラを止めるな !』予告編

 

 

【フィルモグラフィー】

2011年


映画「お米とおっぱい。」予告編

 


短編映画「恋する小説家」予告編

 

2013年


短篇映画「ハートにコブラツイスト」予告編

 

2014年


短編映画「彼女の告白ランキング」予告編

 


短編映画「Last Wedding Dress」予告編

 


ill hiss clover - SOS [Music Film]  本編

 

2015年


『嬉し涙と悔し涙のまんなか』CODEOスペシャルShortFilm  本編

 

テイク8 本編(第3回八王子Short Film映画祭 グランプリ受賞作品)

 


映画『4/猫-ねこぶんのよん-』予告編

天才女優・木南晴夏が主演

 

2016年


『お裾分け』CODEOスペシャルShortFilm vol.2  本編

 


短編映画「ナポリタン」予告編

 

2018年

 正装戦士スーツレンジャー 本編

 

最新作は7月から全国VR劇場で公開予定


映画「ブルーサーマルVR ーはじまりの空ー」 予告編

 

「橋本忍」追悼!黒澤映画の脚本家というより松本清張原作映画「砂の器」が真骨頂。昭和の市井にいきる人達の哀しみ、生きがい、喜びとか・・・救い上げる人生スケッチの名手。

2ヶ月前に登山中靭帯を痛めて整形外科には行くが映画館になかなか行けない。

そんななかの訃報。

 

橋本のフィルモグラフィを見ると10代の頃からどれだけ見てきたか・・・

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羅生門(1950年8月26日公開、黒澤明監督)

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生きる(1952年10月9日公開、黒澤明監督)

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七人の侍(1954年4月26日公開、黒澤明監督)

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日本沈没(1973年12月29日公開、森谷司郎監督)

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砂の器(1974年10月19日公開、野村芳太郎監督)

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八甲田山(1977年6月4日公開、森谷司郎監督)

 

いい脚本のお手本だな。

プライドの対立(八甲田山)、時間制限の中の生きがい(生きる)、科学者vs為政者(日本沈没)、隠したい過去(砂の器)、弱者の戦略(七人の侍)・・・

個人的には「松本清張作品」が好きだな。

 

清張ドラマのポイントは誰が犯人かではなくて、何故犯罪を犯したのか?

悲しい過去と人間関係が回想されて人って悲しいね・・・」となるのがお約束。

わかっちゃいるけど見てしまう。

 

その先鞭をつけたのが映画「砂の器」だった。

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やくざの親分から総理大臣、軍人などリーダーをやらせて右に出る人がいない名優・丹波哲郎が刑事となって事件を読み解く。

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黒澤の傑作刑事ドラマ「野良犬」「天国と地獄」と比べるとわかる田舎の情緒性とセリフの説得力は素晴らしい。

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スクリーンで現千葉県知事と歩く田舎道、海岸のカッコ良さ。

アクションのない地味な役だけどこのオーラ、自然過ぎて見失うが傑出した映画スターだった。

 

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幼稚なタレント俳優を使ったポップな物語を量産する邦画界に、45年前の橋本脚本の素晴らしさを堪能してもらいたい。

 

各局でますます清張ドラマが特別枠で放送されるけどこの作品が原点。

 

 

原作「砂の器」とは・・


100分de名著『 松本清張スペシャル 第2回「砂の器」生き続ける歴史の古層 』

 

平成の最後の夏に、「昭和」を描いた映画人が亡くなった。

素晴らしい作品を残してくれて感謝しかない。

 

 

 

 

 

動画「伊藤詩織さん海外インタビュー集」BBC(英国)Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)、フランス24、スカンジナビアなど海外番組で山口敬之レイプ事件を明確な英語で事実を説明し、心情を吐露、日本の暗部を照射する。国会議員杉田水脈、漫画家はすみとしこ、タレント千葉麗子は批判。


Shiori Ito broke Japan's silence on rape: – The outcome was brutal | Skavlan

 


#MeToo in Japan: The woman speaking out against rape

 


Noticia | El drama de Shiori Ito, la única abanderada del MeToo en Japón

 

レイプ、セクハラ告発者はこんなに非難、中傷されなければいけないのか?


【日本の病巣を斬る!】♯25 希望の党、柚木議員、伊藤◯織を国会傍聴席に呼ぶ暴挙、杉田水脈大反撃‼捏造報道で安倍政権打倒を狙う朝日新聞

 

時系列で読んで欲しい。

http://lite-ra.com/search.html?q=%E8%A9%A9%E7%B9%94&submit.x=0&submit.y=0

映画「万引き家族」是枝裕和監督 リリー・フランキーの品の無さ、子役のリアルさ、松岡茉優のお宝演技、安藤サクラのふてぶてしさ満開の母性には参った。それよりも「もうおねがい、ゆるして」の5歳女児・船戸結愛ちゃん虐待死と重なり過ぎてどうしようもなかった。

一週間前のプレ上映に行きそびれ、昨日の公開初日に出遅れる。

晩御飯食べてると、NHK7時のニュースでも大ヒットが取り上げられた。

20時から制作委員会のフジテレビが地上波で「海街Diary」だし

監督の国からの表彰辞退、文化庁の支援は受けていた矛盾への非難など、今週は明らかに「是枝祭り」の様相。

土曜の最終上映は多いに決まっているが、行くしかない。

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案の定、いつもの九州のど田舎シネコンほぼ満席。
邦画のシリアスドラマが満席なのはほんとに嬉しいな。

あらすじ)

 東京の下町に、日雇い労働の父・柴田治とクリーニング店で働く妻・信代、息子・祥太、風俗店で働く信代の妹・亜紀、そして家主である祖母・初枝の5人家族。

 家族の収益は初枝の年金と、治と祥太親子で手がける「万引き」。5人は社会の底辺で暮らしながらも家族には笑顔が絶えなかった。

 冬のある日、近所の団地の廊下にひとりの幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねた治が連れて帰る。体中に傷跡のある彼女「ゆり」の境遇をおもんばかり、「ゆり」は柴田家の6人目の家族となった。

 しかし、柴田家にある事件が起こり、家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれの秘密と願いが次々に明らかになっていく・・・

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いつもの脱力感漂わせるリリーフランキーが、子供を使っての万引きのスリルと

「万引き家族」のタイトルテロップの出し方の職人芸。

冒頭から心掴む。

映像が微妙に懐かし色と思ったら、デジタルでなくフィルム撮影だと気がついた。

家族の住む、やたら物の多い(いるか、いらないか、わからなさそうな)狭さが昭和感というよりあきらかに低所得者の趣き。

まるで我が家の様で身につまされる。

そして「ゆり」ちゃん登場。

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この子を見ていると「命」を考えざるを得ない。

親の愛に放置され、外で置いておかれるむき出しの「いのち」

「もうおねがい、ゆるして」のあの子と100%重なる。

随分前に目黒区に住んでいたのでなおさらだ。

あまりにタイムリーなドラマ。

 

彼女を誘拐したのも、一瞬で事の重大さを察知した万引き男のある種の感性の豊かさ。犯罪者ではあるけれどもシンパシーを抱いてしまう。

よく出来た脚本だ。

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この5人「家族」の日常の異様さの中の、この絆と暖かさはどうだ。根は悪い人たちでは決してない。

しかし何かみんな裏の顔があるようだ。そこは説明がない、

また、児童相談所とか役所など地域社会の不備など一切指摘しない。

誘拐捜査、裁判も、判決も描かない。北野武演出より省略してしまっている。

底辺で暮らす人々の細部を淡々と描く。

この辺りの丁寧さは平成の小津安二郎だ。

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安藤サクラはオールヌード(背中だけ)でリリーとの夏の夕暮れ、夕立情事を肉食おばさんをさらっと演じる。

取り調べ問答、収監面接の別れと名演技を見せつける。

「100円の恋」でも感じたが世界映画の最前線に立つ女優だな。

今年の主演女優賞は総獲りしかあり得ない。(興味はないが)

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品のない暮らしをしてい疑似家族を描きながら

是枝のいつものテーマ

「人は前を向いて生きていかねばならない」

にプラスして

「命を守るためなら何でもやれ」と

 

万引き家族=偽家族によって、本物の家族の宝であるはず4歳児は救われる。

しかし、偽家族崩壊後は、彼女は愛のない家庭に戻り・・・

いったいその後はどうなるんだろう?

 

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船戸結愛ちゃんのような悲劇にならないように大人の社会はどうするの?

あんたならどうするの?

実親だったら子どもの虐待を許す仕組みをつくった大人のルール=法律を

役者に語らせず、ナレーションもなく、テロップさえ入れない

敢えて主張しない、是枝の品の良さと重なって

ど直球、内角高めに入ってきた。

 

映画をきっかけで、狂った親から子どもを救わないと(法律変える)
ただ感動したで終らせてはいけないと思うな。

モリカケも必要だが、働き方改革法案よりはまず子どもだろう、命だろう。

 

法律改正なら国会議員を働かせないといけない。

現行の運用なら知事を働かせないといけない。

何かしないと、聞こえない悲鳴が日本中で、ご近所から今もあがっている。

 

100点

 

一部の是枝の発言や映画への非難の前に、大人にはまずやることがある。

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児童虐待の防止等に関する法律 一部抜粋 (平成12年5月24日)

 

(目的) 第一条

 この法律は、児童虐待が児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を及ぼすことにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援のための措置等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進し、もって児童の権利利益の擁護に資することを目的とする。

(児童虐待の定義) 第二条 

この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

(児童に対する虐待の禁止) 第三条 

何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。

(国及び地方公共団体の責務等) 第四条 

国及び地方公共団体は、児童虐待の予防及び早期発見、迅速かつ適切な児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援(児童虐待を受けた後十八歳となった者に対する自立の支援を含む。第三項及び次条第二項において同じ。)並びに児童虐待を行った保護者に対する親子の再統合の促進への配慮その他の児童虐待を受けた児童が良好な家庭的環境で生活するために必要な配慮をした適切な指導及び支援を行うため、関係省庁相互間その他関係機関及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援、医療の提供体制の整備その他児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、児童相談所等関係機関の職員及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者が児童虐待を早期に発見し、その他児童虐待の防止に寄与することができるよう、研修等必要な措置を講ずるものとする。

3 国及び地方公共団体は、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援を専門的知識に基づき適切に行うことができるよう、児童相談所等関係機関の職員、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援の職務に携わる者の人材の確保及び資質の向上を図るため、研修等必要な措置を講ずるものとする。

4 国及び地方公共団体は、児童虐待の防止に資するため、児童の人権、児童虐待が児童に及ぼす影響、児童虐待に係る通告義務等について必要な広報その他の啓発活動に努めなければならない。

5 国及び地方公共団体は、児童虐待を受けた児童がその心身に著しく重大な被害を受けた事例の分析を行うとともに、児童虐待の予防及び早期発見のための方策、児童虐待を受けた児童のケア並びに児童虐待を行った保護者の指導及び支援のあり方、学校の教職員及び児童福祉施設の職員が児童虐待の防止に果たすべき役割その他児童虐待の防止等のために必要な事項についての調査研究及び検証を行うものとする。

6 児童の親権を行う者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を有するものであって、親権を行うに当たっては、できる限り児童の利益を尊重するよう努めなければならない。

7 何人も、児童の健全な成長のために、良好な家庭的環境及び近隣社会の連帯が求められていることに留意しなければならない。

(児童虐待に係る通告) 第六条 

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

2 前項の規定による通告は、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十五条の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。

3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。

第七条 市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所が前条第一項の規定による通告を受けた場合においては、当該通告を受けた市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所の所長、所員その他の職員及び当該通告を仲介した児童委員は、その職務上知り得た事項であって当該通告をした者を特定させるものを漏らしてはならない。

(通告又は送致を受けた場合の措置) 第八条 

市町村又は都道府県の設置する福祉事務所が第六条第一項の規定による通告を受けたときは、市町村又は福祉事務所の長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、当該児童との面会その他の当該児童の安全の確認を行うための措置を講ずるとともに、必要に応じ次に掲げる措置を採るものとする。

一 児童福祉法第二十五条の七第一項第一号若しくは第二項第一号又は第二十五条の八第一号の規定により当該児童を児童相談所に送致すること。

二 当該児童のうち次条第一項の規定による出頭の求め及び調査若しくは質問、第九条第一項の規定による立入り及び調査若しくは質問又は児童福祉法第三十三条第一項若しくは第二項の規定による一時保護の実施が適当であると認めるものを都道府県知事又は児童相談所長へ通知すること。

2 児童相談所が第六条第一項の規定による通告又は児童福祉法第二十五条の七第一項第一号若しくは第二項第一号又は第二十五条の八第一号の規定による送致を受けたときは、児童相談所長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、当該児童との面会その他の当該児童の安全の確認を行うための措置を講ずるとともに、必要に応じ同法第三十三条第一項の規定による一時保護を行うものとする。

3 前二項の児童の安全の確認を行うための措置、児童相談所への送致又は一時保護を行う者は、速やかにこれを行うものとする。

(児童虐待を行った保護者に対する指導等) 第十一条 

児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の規定により行われる指導は、親子の再統合への配慮その他の児童虐待を受けた児童が良好な家庭的環境で生活するために必要な配慮の下に適切に行われなければならない。

2 児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の措置が採られた場合においては、当該保護者は、同号の指導を受けなければならない。

3 前項の場合において保護者が同項の指導を受けないときは、都道府県知事は、当該保護者に対し、同項の指導を受けるよう勧告することができる。

4 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた保護者が当該勧告に従わない場合において必要があると認めるときは、児童福祉法第三十三条第二項の規定により児童相談所長をして児童虐待を受けた児童に一時保護を加えさせ又は適当な者に一時保護を加えることを委託させ、同法第二十七条第一項第三号又は第二十八条第一項の規定による措置を採る等の必要な措置を講ずるものとする。

5 児童相談所長は、第三項の規定による勧告を受けた保護者が当該勧告に従わず、その監護する児童に対し親権を行わせることが著しく当該児童の福祉を害する場合には、必要に応じて、適切に、児童福祉法第三十三条の七の規定による請求を行うものとする。

映画「モリーズ・ゲーム」ジェシカ・チャステイン主演 ポーカー賭博の若き経営者の今風イケイケ成功譚と思いきや、奇妙なディスカッションを見せられて窒息しそう。

大好きなジェシカ・チャステイン

彼女の知的でミステリアスな匂いがたまらなくいい。

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「ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命」

「女神の見えざる手」と連続見逃したので

今回は何とか終映迄に間にあった。

最近は回転早すぎて困るな。

スーパーイオンだし、映画の日でみんな安いし、金曜だし・・30人はいるだろうと思いきや・・・5人。男は私だけ。

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冒頭のモーグルの試合のスピード感がたまらなくいいね。

競技のポイント、戦略に加えて、略歴、父との関係、生き方などを自らの言葉で語る。

1秒に満たないカットをどんどん入れてくる。

40過ぎのアラフォーだけどオリンピック級のアスリート姿が凛々しい。

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「ソーシャル・ネットワーク」よりはるかにリズムがあって掴みは満点。

しかし、引退してからのサクセスストーリーがわかりにくい。

人の出入りはそんなぬ多くないが、セリフ量が「シン・ゴジラ」に匹敵するが、カードゲームの素養がないので言ってることが腑に落ちない。

落ちない中で、次のセリフでまたわからなくなる。悪循環。

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そこにFBI逮捕で裁判が進行するので弁護士との丁々発止がある。

このやりとりがまた言葉遊びを始めてしまう。

どいつもこいつもよくしゃべる。

ついていけなくなって久しぶりに寝てしまった。

人がいないと、熟睡もしやすい。

ロシアンマフィアに殴られるところで起きた。

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身も心もボロボロになったあたりで父とスケートリンクで再会する。

ここでお互いの心情を吐露する。

頭がいいのに、賭博場経営というリスキーで危険な生き方をする娘の核心に迫る。

どっかで見たぞ。

 

「ある愛の詩」か?「普通の人々」か?

ここから裁判のクライマックスまでがさらに、

登場人物おしゃべりMAXで、見る気が失せる。

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縦軸に逮捕から裁判、横軸に彼女の生き方、父との和解がスパイスなんだろうけども

ディスカッションが多すぎて密室劇だな。

実に息苦しい。

大都会の欲望まみれのギャンブル依存症ホワイトカラーの生態を描く為に、脚本は超リアルなんだけどね。ただそれだけ。

 

映画を見にきたのに、演劇中継見せられた様な違和感。

みんなキャラ作ってはいるが「セリフ仕事」で薄っぺらに見えるんだな。

なんだかな~

 

30点

映画「孤狼の血」公開初日最速レビュー 白石和彌監督 役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子 「警察じゃけえ、何をしてもええんじゃ」のキャッチは宙に浮き深作欣二でなくて、黒澤明リスペクトの違和感で「仁義なき戦い」ファンはがっかり。

仕事やあれこれでなかなか映画館に行けない。
その間に見たい映画が結構な本数流れて行く。

そんな中、予告がかなり攻めてる感じが記憶に残った。
広島が舞台の実録ヤクザ路線ときたら「仁義なき戦い」の2018年版ではないか?

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しかも今や誰と共演しようと、主役とトメ(テロップの最後に名前の出る大物俳優)しかあり得ない役所と、若手のホープ、松坂がコンビを組んで、監督は白石だし。

期待しない方が難しい。

昨年のベスト10に入った「彼女がその名を知らない鳥たち」の演出は良かった。

特に松坂はこの映画から飛躍した感がある。

ピエール瀧もいるし「終戦のローレライ」
石橋蓮司もいれば「アウトレイジ」

いろんな映画で見かけた名バイプレイヤー終結も期待できる。

公開初日の土曜日の初回は朝10時。

いつものど田舎シネコンの定位置で20名くらいの割と高齢者の映画ファンと幕を開けた。

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あらすじ)

昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。所轄署に配属となった日岡秀一は、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾とともに、金融会 社社員失踪事件の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に戸惑う日岡。失踪事件を発端に、対立する暴力団組同士の抗争が激化し・・・

 

冒頭、豚だ。

映画の掴みが大事だけれど、いきなりその尻の穴のアップで始まる。

アウトロー達の情け容赦なし暴力シーンが続く。

背景説明をナレーションで入れる「仁義なき」方式を踏襲する。

このリズムが東映昭和感で嬉しい。

さらに松坂以外、全員の広島弁が楽しめる。

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破天荒なベテラン大上と、対立する新人の日岡

組同士も抗争を繰り返す中で、策を練る大上。

さらに殺人容疑のサスペンスも絡んで・・・

 

役所と松坂のキャラ立ちがOKだけど、ヤクザ達の出入りが見えない。

どうしても「仁義なき」を見ているのでそのわかりやすさと比較してしまう。

ドラマを引っ掻き回す金子信夫はいないし、優柔不断な田中邦衛もいない。

コメディが抜け落ちている。

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なんか違和感がある。途中でわかった。

構成は「野良犬」+「用心棒」ではないか?

最後は「赤ひげ」的でもある。

なるほど黒澤映画3本の面白さを白石はまとめようとしたんだな。

深作欣二ではなくて、東宝の黒澤リスペクトだ。

天才黒澤明は画面の説得力が抜群だけど、そうでない白石はもっとナレーションとか地図とか組織図とか使って暴力の支配する地方都市を描かないといけないのに、役者に頼った。

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他の出演者はいい味だしていた。

久しぶりにスクリーンで見た真木よう子は綺麗だった。元気になって写真集とか出して欲しいな。

最近男の色気が出てきた江口洋介は出番が少なくてかわいそう。

 

ヤクザ組織の大きな対立が先にあって都市が悲鳴をあげている背景をたっぷり見せた上で、正義の代行者である警察内の2つの個性の対立を見せてくれれば普通に物語に酔えたのに。

 

個々のバイオレンスと言葉の面白さはあってもね。

「アウトレイジシリーズ」の北野武の凄さに改めて脱帽する。

 

企画はいいのに、映画の作法=シナリオがとても残念な意欲作

とでも言おうか・・・

 

70点