映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」世界NO1の38年前の死闘が鮮明に蘇る。かつてテニス少年だった青春時代が思いだされ全英オープン決勝戦の怖さがわかる。
何でいま1980年のボルグ vs マッケンローなのか?
13歳で中学テニス部に入った私は当然ウィンブルドンの中継はNHKで見ていた。
(当時WOWOWとかスポーツチャンネルないし、ネットもSNSも何にもない)
ヨーロッパのクールイケメン・ボルグに対して、やんちゃなアメリカのガキ(Tシャツが小さくて恥ずかしいマッケンローがボルグの5連覇を阻止して欲しいのでマッケンロー推しで(映画ファンとしては、妻がティータム・オニール(すぐに離婚)というのが羨ましかったのもある)
役者が本当に素晴らしい。全く知らない驚異の新人だ。
ビョルン・ボルグ役のスヴェリル・グドナソンの目の演技
これだけで女性は見る価値がある。
彼を支える恋人、少年時代からのコーチとの関係も描かれ孤立しながらも「チーム・ボルグ」の絆を描く。
ジョン・マッケンロー役にシャイア・ラブーフは登場時は「?」と思ったがプレー姿のサウスポーがドンぴしゃで「マッケンロースタイル」になってくる。
2人の性格の違いが交互に映し出されて決勝戦の日が迎えられる。
クールなボルグの真逆の性格を押し殺している実態が生々しい。
こうやって世界NO1になったのか・・・
名作アニメ「エースをねらえ」にあった友情も恋もライバルもありゃしない。
自分との闘いがあるだけ。
様々なプロスポーツ映画を見てきた。
サーフィン、野球、アメフト、アイスホッケー、ボクシング
多くはハートウォーミングで終わるので
ここまで孤独な人を初めて見た。
空港でのラストが嬉しかったな。
大坂なおみもこんな中で優勝したんだと思えば大した精神力だと思う。
骨太の人間ドラマで栄光をつかむハングリーが見えた。
音楽と音響が特に素晴らしかった。
全く期待してなかったが、こういう瞬間が映画ファンは至福なのだ。
100点