批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー宇多丸氏、たまむすび町山智浩氏、シネマストリップ高橋ヨシキ氏を見習って公開初日最速レビューを心掛け評価は点数制。地方在住フォトグラファーがど田舎のシネコンでネタバレあり&あらすじ&見たまま感想ブログ

映画「ヘレディタリー/継承」トニ・コレットの絶叫顔、森の中の一軒家、首ハネ、怪奇現象、得体の知れない町の人々、悪魔崇拝・・・オカルト全部入りジェットコースターの抜群の後味の悪さ。監督アリ・アスターの生真面目な演出は20世紀最高のホラー映画「エクソシスト」のウィリアム・フリードキンに通じる。

最近は九州のど田舎でも結構シネコンが増えてきて、最も見たかった映画が最も近くのスーパー系で始まっていたりするから侮れない。

auマンデーを利用して夕方5時スタートで観客は私1人(10分後には熟女2人が参加して3人で鑑賞となった)ホラーは知らない人でも沢山いるとそれほど怖くない心理が働くから+2人はいないも同じ。ホラー鑑賞環境が整った。

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あらすじ)

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。 やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。 そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。 “受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?

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葬儀でアニーが不思議な挨拶をする。
「来てるのは知らない人ばかり」「母は秘密主義」・・・

とっさに悪魔崇拝の秘密倶楽部みたいな物語の背景が広がるが、娘チャーリーの異常さにすぐに忘れてしまった。不気味な低音BGMがいつも鳴ってるせいか・・

この映画はこのBGMと音響がキーだ。(「エクソシスト」もそうだった)

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葬儀終わってから租母の実家に住む4人家族が全員がとにかく暗い。

笑顔とか笑い、ジョークの一つもありゃしない。

父以外は瞳に生気が最初からない。

いつもピリピリした作家の母。

トニ・コレットは全く知らないがトラウマ抱えた中年女性像を秀逸に演じてる。

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不幸顔しか見せない訳あり娘。

麻薬パーティー好きな息子。

序盤でオーメン的な事故があってから、不幸は目に見える形で急降下していく様を真正面から描くことにつき合わされる。

ここから母の様々な絶叫顔が強烈だ。まさに壊れていく感じ。

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母が祖母の秘密を解明していくにつれてさらに不幸が増していく。

エクソシスト」はまだわかり易かった。

この映画は先の展開が見えない。

このホラージェットコースターがきつい。

カソリックの国アメリカで悪魔崇拝はタブー。

この映画がDVD販売、レンタル、アマゾンなどで動画配信されると10代でも見れる訳だからカルト映画化になるのは目に見えている。

キリスト教の国でヘレディタリー殺人が発生する予感もして、とても危険な匂いがする。

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「サタンごっこ」は「ごっこ」で終わらない。

本来アンダーグラウンド作品を年齢制限ありとはいえ、世界配給してしまう映画会社は十分病んでる。

 

 

エクソシスト」のリンダ・ブレアーさえ3人の死と引き換えに生還したのに。

希望のきの字もありゃしない。

共感なんて皆無、ただ絶望だけの映画。

 

10点(音響を評価して)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我らがクリント・イーストウッド(88)の新作「THE MULE」が公開される幸せと、トランプ統治のアメリカへの異議申し立てへの期待。

娯楽映画の最高齢記録を更新し続ける天才映画俳優兼監督のクリント・イーストウッドの新作トレーラーがYouTubeにアップされている。


映画『MULE』US予告 2019年公開

主演はおろか、出演もしないと依然インタビューで語っていたと記憶したが10年ぶりにスクリーンに復活した。

70年代「ダーティーハリー」で世界を席巻したアクション俳優。

ホットドッグ食べながらの悪人退治と44マグナム、ジャケットのカッコ良さ。

もう虜にならずにいられない。



彼は演出にも才能を発揮し「恐怖のメロディ」1971年で初監督兼主演以降、ワーナーブラザース配給で続々と80年~2010年代まで傑作ドラマを産み出し続け、その集大成が「グラン・トリノ」だった。

自分を犠牲にして異国から来た移民の幸せと引き換える。

 かつて共和党を支持し2年間は市長として地域社会の抱える問題点を理解したのか、イーストウッド的博愛主義への変化球にファンのみならず世界が唸った。

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予告編では、偉丈夫なイーストウッド(45年ファンなのでイメージが確立しているのもある)が、ただただおろおろする痩せた老人になりきっていて、死が近い古老の人で、それだけで落涙の一歩手前になってしまう。

 

一方で「グラン・トリノ」と違う、何か異質な傑作の予感しかない。

見てはいけないものを見てしまったら奈落へ落ちるしか他にはない。そんな感じが伝わるのだ。

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この10年、アメリカ最大の出来事は何たって大統領選にトランプ勝利。

メキシコ国境にも、アメリカ国民にも、世界経済にも壁と分断と混乱をもたらす。

イーストウッドはトランプ統治のアメリカの今に我慢できず、これまでのキャリアから考えられない「ドラッグの運び屋」の役を通して、敢えて出演したのではないか?

残念だけど年齢からすると引退まであと数本だろう。

娯楽作の体で私映画を全世界に配給できる立場と能力が共にあるのは世界の映画界で唯一無二でイーストウッドだけだろう。

「最後に言っておきたいことがある・・・」

そんなとてつもない映画である気がしてならない。

来年の日本公開が待ち遠しい

映画「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンで描くメキシコ国境麻薬戦争の情け容赦ない人間模様と無常感の傑作。デニトロ祭!

パート2を待ったことがない最近のアメリカ映画で

本当に待ってました。

いつものド田舎シネコンのいつもの席(後方、右斜め)から

コーヒーとポテトでわずか数人の客と公開初日を向かい合う喜びと言ったらない。

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とにかく前作「ボーダーライン」(2015)がまず素晴らしかった。

麻薬カルテルVSアメリカの何でもありがね。

殺ったら殺り返す感。

samurai.hatenadiary.jp

この映画で監督ドゥニ・ビルヌーブを知りセンスに脱帽
(次の映画「メッセージ」も100点)

今回は監督を変えて、エミリー・ブラントから少女に変えて?

前作で音楽を担当したヨハン・ヨハンソン死後(2018年2月)どう変わったか?

トランプ登場後のメキシコ国境がどう扱われるのか?

興味は尽きない。

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あやすじ)

アメリカ国内の商業施設で市民15人の命が奪われる自爆テロ事件が発生。 犯人一味がメキシコ経由で不法入国したと睨んだ政府は、 国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れる任務を、 CIA工作員のマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に命じる。 それを受けてマットは、 カルテルへの復讐に燃える旧知の暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に協力を要請。 麻薬王の娘イサベル(イザベラ・モナー)を誘拐し、 カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。 しかしその極秘作戦は、 敵の奇襲やアメリカ政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招いてしまう。 メキシコの地で孤立を余儀なくされたアレハンドロは、 兵士としての任務と復讐心、そして人質として保護する少女の命の狭間で、 過酷なジレンマに直面していく・・・

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まず主演の存在感が群を抜いてる。

違法行為を躊躇わないジョシュ・ブローリンと、マフィアとしか思えないベニチオ・デル・トロ

そして物語の構成の妙。マフィア同志を争いさせて壊滅させる黒澤明の「用心棒」スタイル。(と見せかけて意外な展開がある)

スマホのような感覚で武器を扱うアクション(特に音響)のリアルさ。

テキサス砂漠の叙情感とメキシコの猥雑感のマッチング。

特に、前作になかった作戦オペレーションルームを中心とした航空動画の浮遊感。

などなど、血を大量に見るのと同様に、そこに至る双方の情報を存分に見せられる。

麻薬戦争の現場は情報戦なのだとわかる。

全編を支配する感情は日本人からすると最も遠い無常感・・・

情けの「な」の字もありゃしない。

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一部の国(カナダとか)と地域(オレゴンとか)で制限付きながらコカイン解放が進むが、これを見る限り、国境地帯が砂漠である限り、密入国者と警察の果てしない戦いは続く。

ドラマとしても現状認識としても見た方がいい。

 

そしてパート3でこの音をまた聞きたい。


Sicario by Jóhann Jóhannsson- The Beast

 

100点

 

 

映画「運命は踊る」監督サミュエル・マオズマジックが国境警備の緊張と弛緩を照射する。

チケットを頂いたので平日の15時、福岡唯一の名画座に出向くと、シニア世代がポツんといっぱい。

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イスラエル映画を見たことがない。

ドラマの一部で描かれたのがスピルバーグの「ミュンヘン」でオリンピック殺人事件のアラブテロリストを各地で殺していく。周りをアラブ諸国に囲まれたいつも戦時下である状況だけは理解している。

そのシビアな国の映画界から若き鬼才の2作目が登場した。(前作は見ていない)

あらすじ)

夫妻のもとに、軍の役人が、息子ヨナタンの戦死を知らせるためにやって来る。ショックのあまり気を失う妻。夫は平静を装うも、役人の対応にいらだつ。そんな中、戦死の報が誤りだったと分かる。安堵する妻とは対照的に、夫は怒りをぶちまけ、息子を呼び戻すよう要求する。

 ラクダが通る検問所。ヨナタンは仲間の兵士たちと戦場でありながらどこか間延びした時間を過ごしている。ある日、若者たちが乗った車がやって来る。いつもの簡単な取り調べのはずが・・・ 遠く離れた場所で、3人の運命は交錯しすれ違う。

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両親の住むマンションの部屋と、息子の国境警備所が交互に描かれる。

基本それ以外にはない潔さ。

突然死んだと告げられた夫の哀しみ、間違いだった軍への怒り。

部屋から出ないので濃密な息苦しさが伝わってくる。

一転して死んだとされた息子の働く国境警備所の単調さの対比。

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この砂漠地帯のカラートーンがフィルムライクで時間の流れが緩やかだ。

この兵士達の日常は実に面白い。

暗闇をやってくるアラビア人たちの不安げな表情

テロリスト審査の照合する間の緊張

目くばせと合図の弛緩

砂漠の中で生と死との向き合いを見ていく。

これが陸続きの国境で繰り返される現実だと理解できる。

善意からの悲劇

予想外の夫婦

なんともドラマチックな中近東か。

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隣のスクリーンではマイケル・ムーアの「華氏911」をやっている。

トランプの一声で国境に緊張が走る。

なんだろう、イスラエル映画アメリカ政治がつなっがてる感が

福岡の名画座で実感させられる。

 

80点

映画「億男」大友啓史監督 佐藤健 高橋一生 何だこの表層主義は?川村元気原作のつまらなさを補えるのは「何者」の三浦大輔しかいなかったのにね。

最近のエンタメ界隈は出版社がいい書評のみをネットでコントロールしている気配が濃厚で当てにはならない。その証左の代表が数年前に川村元気の原作を書評の高評価から読んで見て、近年稀に見るつまらなさに驚いた。

たった一言で表せる「薄っぺらい」

だけど、NHKドラマ「ハゲタカ」での過不足ない大友啓史演出は好きだし、「何者」の佐藤健と「シン・ゴジラ高橋一生も出てる。最低でも合格点だろう期待もあっていつものスーパー内シネコンに出かけてみた。

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あらすじ)

「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテスドストエフスキー福沢諭吉ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる・・・

 

庶民でこのあらすじに心惹かれない人は少ないだろう。年に何回からくじ買うし、他力本願の権化・神社の祈りの中に「クジ当選」は入っていない人は少なかろう。

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がだ。冒頭のパーテイー部分からして唐突過ぎてこれが何かわからない。

誰が、何の目的で、どういう人を・・・

後でわかるのだが、こんな勿体ぶった意味不明の順番にする必然がない。

最近やたらとこの手法が多くてメンドクサイ。

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親友・九十九の思惑なんだけど2人のキャラ立ちも中途半端だし、ここに集まる魑魅魍魎な人種を見せて作品世界にぐっと引き込ませないといけないのに、ブレーキをかけてしまっている。

原作者はこの東宝のプロデューサーなのに一体何を見ているのだろう?

佐藤健は「何者」の就活生から一転。妻と別居し、娘を愛しながらも、借金苦であえぐ個性のないリーダーシップをとれそうにない市井の人を好演している。

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高橋一生は複雑な成功者と吃音の落語学生を巧く演じた。

黒木華は昭和の顔立ちからお母さん役が実にいい。マネーと別世界のマドンナとして終始ぶれない。

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出色の出来は北村一輝

他と生きてるリズムが違う味をだしている。

前作の映画「去年の冬、きみと別れ」(2018年3月公開)の編集長役が余りに酷い学芸会芝居にガッカリしたので、やれば出来るじゃないか。

こういう屈折した役所が立ち位置ではないかな。

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相変わらずなのは藤原竜也

インチキ成功者のインチキ感がないんだな。

何をやっても響かない。

オーラのない役者でも演じたらどうだろうか?

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この映画は、主人公が、九十九のかつての仲間で出会っていく中で、大切なものを探し当てるのだが、なぜ九十九を探すのかがさっぱりわからない。

そこがわからないので、この物語のキモであろう

九十九探し=自分探し=本当の幸せ探し

に帰結しないのだ。

 

何故大切な当選金を全額、彼に預けたのか?

基本の「キ」がないのだ。

学生時代のモロッコ旅行とかにスポットを当てたところで「それで何?」となる。

順番が間違ってる。共感のしようがない。

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監督(原作者もかな)はわかっていない。

エンタメの作りも、青春というものも。

彼らは「何者」を何回見たのかな?

(感性ないと観てもわからないけどね)

原作者の川村は「何者」の企画・プロデュースではないか。

三浦大輔に演出させないと。

表層しか描いていない原作を力のない監督に任せた失敗作。

 

30点

 

映画「ボヘミアン・ラプソディ」Queenのフレディ・マーキュリー演じるラミ・マレックの快演と70年代の雰囲気、巨大コンサート会場での一体感。ロック映画史とLGBT映画史に残る名作で、衆議院議員・杉田水脈に毎年見ることを義務づけたい

70年代を青春だった少年の多くが一度は洋楽のシャワーを浴びたであろうQueen

福岡にも来たもんね。


2011年6月29日放送 NHK「SONGS クイーン」

ボーカルのフレディ・マーキュリー物語が映画になったので見たかったが、試写会があったので近所のスーパーマーケットシネコンに行った。
中高年カップルが多い感じでファンだった人なんだろう。私もビートルズナンバーに次いで知った曲が多い。(他はイーグルス、S&G、ビリー・ジョエルetc)

これは愉しみだ。


映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!

学生バンドにボーカルの脱退に伴ってフレディが加入する1970年からスタート。

冒頭はフィルムで撮ってるような70年代らしさがプンプンする。

髪型、ファッション、サイケ感など。しかし一貫してフレディ・マーキュリー物語だ。彼の家族との関係、性の嗜好・セクシャリティ、仲間との絆が描かれる。

主演のラミ・マレック(全く知らなかった)が素晴らしい。

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労働者階級出身のロン毛の美大生が、堂々とした世界一のパフォーマーとなりゲイになりきる。雰囲気、仕草、話し方の表層から、自信、不安、恐れ、喜び・・心象風景まで見事だった。

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音楽がベスト盤聞いてる様で体が自然に動く。

これこれ。

ロック映画でも動かない作品も結構多い。

ビートルズの「レット・イット・ビー」

スコセッシの「ラスト・ワルツ」

プリンスの「パープルレイン」

名作と言われてもスターが出ればスクリーンで何でもスイングする訳じゃない。

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でも、この映画は音作りが見えて実に楽しい。

ビートルズピンク・フロイドら英国のロックアーティストがスタジオに籠って作った音の秘密の一端に触れられる。

一度は別れた仲間と、「ライブエイド」コンサートで演奏するシーン。

ここは前の席で出来れば4DX、IMAXで見た方がいい。

臨場感が半端ない。

伝説のチャンピオン「We Are The Champions

で涙出そうになった。

「we'll keep on fighting 'til the end」

そうか、ゲイ=少数派であるフレディが、同じ少数派(ゲイに限らず)に語りかけたメッセージなんだと。

40年たってそ歌詞の真意がわかってくるのも

アー俺も歳とったんだな、とシミジミ。

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ふと、自民党衆議院議員杉田水脈が思い浮かんだ。

新潮45上の差別寄稿以降、沈黙することで騒動を問題提起にもしない(当然決着もつかない)態度だ。

総理は若い(杉田は51歳)と言って庇う。

党は、公然と性の嗜好で差別する者を許し、発言させない。

中央官庁は厚生労働省以外は障害者雇用の虚偽を長年やって、官僚は誰も逮捕もされず辞任もしない。

オリンピック・パラリンピックを2年後には開くというのに・・・

なんなんだろう、この国の為政者は。

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子供のいない生産性のない私など少数派には是非見て欲しい。

理不尽なことには声をあげて戦おう、と。

胸は張ってろ、と。

 

そんな気にさせる

ドストライク直球勝負で迫る。

 

100点

 


We are the champions/ Queen

 

フレディ・マーキュリーが亡くなったからこそ、ボーカルがファンに引き継がれこの曲は「民衆の詩」の様なオーラをまとってきた。

 


LONDON, ENGLAND Green Day Crowd Singing Bohemian Rhapsody - Hyde Park July 1st, 2017

 

沢田研二、コンサート当日キャンセル事件の考察。または、沢田は何故芸能人ジュリーを止めて、中学理科教師城戸誠(主演映画「太陽を盗んだ男」監督:長谷川和彦)になったのか?

突然、摩訶不思議なニュースが飛び込んだ。

歌手・沢田研二(70)が17日、さいたまスーパーアリーナで午後5時から予定していた公演「沢田研二 70YEARS LIVE『OLD GUYS ROCK』」が急きょ中止となった。同所の管理会社が認めた。 沢田研二のポスターの前で身もだえした女優  会場スタッフは、困惑する来場者に向け「重大な契約の問題が発生したため、主催者、所属事務所が協議を重ねた結果、本日の公演は中止とさせて頂くことになりました」と説明。(Yahooニュース 2018.10.17)

このニュースを見た時に、大して驚きはしなかった。

70年代最後のスクリーンヒ-ロー「城戸誠」が覚醒したんだな、という感慨で胸がいっぱいになった。
沢田の中には、背負ってきた芸能人格の「ジュリー」と違う、もう一人の自分との長い葛藤があって、もはや隠し切れず、齢70歳にして過去の栄光を捨て、素に戻ればこうなる他ないではないか。

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ここ数年の沢田の歩みを押さえておきたい。

3・11以降の政治への突然の参加(芸能人も社会人なので当然ではあるが)が自民でも共産でもなく、山本太郎だった。

いろんな支援がある中で、選挙戦の最中の街頭演説で動画配信される覚悟を持ってマイクを握る。


2012.12.14 荻窪駅前ジュリー(沢田研二)登場編

その数年前(東日本大震災前)沢田は自らの作詞でこれまでの「勝手にしやがれ」路線とは180度の舵を切る。

窮状・・・?

憲法9条としか考えられない。
メタファーにしては余りにストレートにしてもだ。


沢田研二 我が窮状

この辺りからテレビへの出演が極端に無くなる。

そして2011年3月11日を迎える。

2014年12月、映画で共演した菅原文太が亡くなる。


長谷川和彦沢田研二菅原文太

 

菅原も晩年は沖縄を中心に、反自民勢力拡大の為の政治参加に熱心だった。

やはりこの映画が2人の心に灯をともしたのではないか?

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 あらすじ)

 中学の理科教師・城戸誠(沢田研二)は、茨城県東海村原子力発電所から液体プルトニウムを強奪し、アパートで原爆を完成させる。そして、金属プルトニウムの欠片を仕込んだダミー原爆を国会議事堂に置き去り、日本政府を脅迫する。

 交渉相手は、丸の内警察署捜査一課の山下警部(菅原文太)。かつて誠がクラスごとバスジャック事件に巻き込まれた時、体を張って誠や生徒たちを救出したのが山下だった。誠はアナキズムの匂いのする山下にシンパシーを感じていたのだ。

 第1の要求は「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継させろ」。電話を介しての山下との対決の結果、その夜の巨人対大洋戦は急遽完全中継される。快哉を叫ぶ誠は山下に名乗った。俺は「9番」だ、と(当時、世界の核保有国は8か国、誠が9番目という意味)・・・

1979年、全く新しいエンタメが日本映画に誕生した。

広島出身で体内被曝した映画監督長谷川和彦の劇場映画2作目にして70年代最高に面白い日本映画を作る。痛快にもほどがある。

しかし電力会社、電事連を大いに刺激してスポンサーは皆無。

ドラマとはいえ、プルトニウムテロは79年より東京オリンピックを控えた中で、よりリアルであり、経産省警察庁内閣府をも刺激する。とすれば政府広報で大儲けする電通は絶対NGだ。地上波では決して放送されない。

 為政者側からすればこの映画こそが国民から隠さなければいけない原発のような存在である訳だ。

しかし、制作の過程が関係者の証言となった動画がある。

これが実に面白い。

 

太陽=原爆を作った男を演じた男が、反原発に向かう。

1979年、沢田は城戸誠を演じる中で、その種を飲み込んだ。

やがて21世紀を迎え、大いなる覚醒が始まる。

大震災が起きる、憲法改正が迫ってくる。

「時は来た」

全国ツアー真っ最中なら話題に事欠かない。

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城戸がテロリストであったように、「原発」は芸能界の禁忌であり、そのタブーに沢田はテロを企てた。そして当然スター歌手としては本日死んだ。

映画がそうであったように。

 

しかし、こうなる事でマスコミを通じた話題は、79年にはなかったインターネットの拡散を通じた沢田の訴えの本質がじわじわ拡散することを狙った企てではないか?

城戸誠はスクリーンで死んだが、その後の評価は真逆だった。

映画がそうであったように・・・

 

いま目にしているのは、ドラマ以上に、ある大スターの内なるドラマだ。

種が蒔かれて40年。

沢田はジュリーとしては死に、スクリーンで死んだ筈の城戸誠として蘇った。

花は咲いた、と観るべき。


巴里にひとり 1975

 

個人的に、長くカラオケで「時の過ぎゆくままに」と「巴里にひとり」を歌ってきた70年代からの一ファンとして、例えるならば、映画「昭和残侠伝」のラスト。

雪降る花道で待つ池辺良の心境だ。 

あんた一人、敵地に向かわせる訳にはいかない。

あまりにカッコ良すぎるし、こっちとしては男の立つ瀬がない。

 

複雑だけど仕方ない。

ここは、是非に及ばず。

これでいいのだ。

 

さらば、ジュリー