批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー・宇多丸氏やたまむすび・町山智浩氏のブログを見習って公開初日最速レビューを心掛け、評価は点数制。みうらじゅんとカンパニー松尾をリスペクトするフォトグラファーがお届けします。

映画「スポットライト 世紀のスクープ」

アカデミー作品賞を獲ったからと言ってどうこうはしないが

日本アカデミー賞よりは思うところはある。

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殺人事件を暴く記者のサスペンス映画は沢山見てきたが

シリアルキラー物には感動がない。

記者は組織や仕組みと戦わないといけない。

戦う為に新聞はある。

新聞記者VS権力 と言えば「大統領の陰謀」(1976)

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70年代初頭のニクソン共和党政権による民主党盗聴の実話を暴いた

世界中の現役の新聞記者のバイブルだ。

取材方法の面白さ、ブラフ、ひっかけ

レッドフォードとホフマンが実社会で躍動する。
SFXなんかなくても(私はこれが嫌いだ)
実社会、政治の中に謎があり

それを解決しようとするとサスペンスが生まれることを

この映画で知った。

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ただ1点。

これは広義で捉えれば国民を裏切ったが直接のダメージ

与えてはいない。

「スポットライト」は
教会の信者である少年・少女を数十年に渡り神父が支配し

犯罪をわかっていながら配置転換で被害を拡大させた組織と

それに目をつぶった弁護士、検察、司法、新聞社自身の物語で

映画が初めて挑んだ
神に仕えるインチキカトリックを告発した物語だ。

 

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物語)

2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。

マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。

デスクのウォルター"ロビー"ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。

やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった・・・

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登場人物の名前をその場で覚えておかないと

後でどんどん出てくるので一瞬戸惑う。

日本の2時間ドラマでは刑事がホワイトボードで

関連図を見せてくれるが、海外の映画ではまずない。

大統領の陰謀」もそうだったが

新聞記者の記憶力、回転の速さに驚くが

この追体験についていければ自分たちが暴いている感覚になれるのだ。

これが新聞記者映画の醍醐味。

レッドフォードやホフマンに匹敵するスターはいないしいらない

役者たちのリアルな感覚が実にいい。

こういう映画が作れることが素晴らしい。

週刊誌しかスクープが出ない、出さない仕組みが

新聞にはあるのではないか?

しかしそれもタレントの不倫だ、政治家の二股だのレベルの低い

国民生活に何の関係もないことに逃げやがって。

2時間、新聞記者になりきれる。

同時に、シリアスな問題を必ず避ける広告代理店仕切りで

みんなで山分け(=ささいなリスク回避)「映画制作委員会」が作る

ジャリタレントと人畜無害の無意味映画を垂れ流す

日本映画との落差を感じざるを得ない。

95点