映画 「ブラック・スキャンダル」 ジョニー・デップ、ダコタ・ジョンソン
2月半ばでやっと今年最初の洋画となった。
ジョニー・デップの海賊映画とか見ないし
ティム・バートン物やディズニーの変てこなキャラクター
とか興味ないので映画館で見るのは初めてに近い。
クライムサスペンスが昔から好きで
「ゴッドファーザー」「セルピコ」「フレンチ・コネクション」
近年では「ゾディアック」「ドラゴンタトゥーが何とか」とか
所謂、SFXがないのがいい。
暗ーいリアルな現代劇が見たいのだ。
予告編見る限りはドンピシャで期待値は高かった。
物語)
アメリカのサウスボストンで育ったジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、二人の幼なじみジョン・コノリーは、やがてギャング、政治家、FBI捜査官とそれぞれの道に進んでいった。コノリー(ジョエル・エドガートン)はイタリア系マフィアの撲滅させるために彼らと抗争中のジェームズ(ジョニー・デップ)に敵の情報を流すよう持ちかける。FBIとの密約を利用し敵の組織を壊滅に追い込み、犯罪帝国を築くジェームズ。そしてビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)もまたジェームズの力を借り権力を握る。利害を一致させ手を組む彼らの関係は、アメリカ史上最悪の汚職事件に発展していく。
幼馴染3人と言えばイーストウッドの「ミスティック・リバー」
セリフは最小限、展開は早い、役者は上手い、無駄がない
完璧な映画はこういうことだろう。
映画はFBI捜査員と親友(上院議員)とその兄(ギャング)の20年を描くが
ジョニデが大問題。
デ・ニーロでもアル・パチーノでもマーロン・ブランドでもない。
凄んでみたところで海賊上がり。
何か鼻につく。演技が下手なのだ。
他の役者が自然なので余計に目立つ。
これが2時間続くと思えば最初から嫌になる。
それでも演出がスコセッジ級ならば、緩急自在に物語をエンタメに変えて
料理にしてくれるが・・・この監督にその力はない。
また脚本も下手。
FBI側、ギャング側共に組織を最初にキッチリ描いていない。
セリフで想像するしかない。
この省略が間違っている。
イーストウッドの無駄の無さはこれとは違う。
敵の敵が味方となって合体した時の、win-winの興奮がない。
したがってこの関係がほころぶスリルもない。
アホかいな。
せっかく男たちの挽歌がスクリーンに刻まれる所が
ジョニデの学芸会を見せられて、凡作にしてしまった。
唯一の救いは、ジョニデの妻役、ダコタ・ジョンソンかな。
美しさに母性をプラスして、荒廃した男の世界に咲く白いバラとなった。
改めて、いかにイーストウッド演出が素晴らしいかよくわかった。
クライムサスペンスは難しいのだ。
人、家族、組織、犯罪準備、行動、破たん、愛など
バランスよく配置しないといけない。
この監督とジョニデはお子様映画でも撮ってろ。
40点