映画「TENET」理解不能にしておいて物語を再確認させる悪徳商法か?難解さと映像逆回しを見せたいだけの時間泥棒。さらばクリストファー・ノーラン。
3ヶ月ぶりに映画館へいく。
土曜日の好天の昼間、ど田舎ショッピングモールは完全に復活し渋滞。
監督クリストファー・ノーラン作品にはほぼ感心したことがない。
世間で言われる過剰な評価がさっぱりわからない。
この監督は「ダークナイト」「インセプション」で、アクション監督として数分の見せ場を作る手腕はあっても、2時間トータルのドラマで感情を揺さぶる力量がない。
短距離ランナーであって、マラソンは出来ない。
両方できるスピルバーグとは違う。
今回邦画は子ども対象ばっかりなので「TENET」に。
あらすじ)
ウクライナのオペラハウスで、突如としてテロ事件が発生。現場に突入した特殊部隊に、ある任務を帯びて参加していた“名もなき男”は、大量虐殺を阻止したものの自身は捕らえられ、仲間を救うために自害用の毒薬を飲まされてしまう。
しかし、その薬はいつの間にか鎮静剤にすり替えられていた。目覚めた“名もなき男”は、死を恐れず仲間を救ったことで、フェイと名乗る人物から、未来の装置「時間の逆行」を使い未来の第3次世界大戦を防ぐという、謎のミッションにスカウトされる。鍵となるのは、タイムトラベルではなく“時間の逆行”。混乱する男に、フェイはTENETという言葉を忘れるなと告げる・・・
冒頭オペラハウス襲撃シーンからひどいな。
背景も敵も味方もわからない。
掴みがカオスってどういうこと?
テストに合格してテネット一派に組み込まれ
「アルゴリズム」とかいうハードディスク状の物をテロリストから奪う
銃も爆破も車も現在進行系に未来からの介入?があって・・・
開始40分でもうあきらめた。
魅力のない主人公、脇役として光らない中途半端な仲間
ロマンスもなければ、希望もない。
何にもない。
誰一人共感出来ず、何が何だかわからないままラストが来た。
こんなクズ映画を2時間弱見てしまった自分が嫌になる。
気持ち悪さが「TENET級」だ。
あまりに物語が難解にしてるのは
YouTubeで謎解き動画が山の様にアップされてる。
数回見させて売上アップ戦略か?
未成年者相手にCDに投票権付けるような秋元康AKB商法より悪質だ。
世界がコロナで大変な時に満を持して、詐欺まがいの映画を公開するとは
クリストファー・ノーランは恥ずかしくないのかね。
金の浪費というよりも時間泥棒だな。
罪はより重い。
0点以下
映画「MOTHER マザー」長澤まさみのヤサグレクズ母物語は歯がゆい現実の投影故か、映画的リズムを欠いた凡庸さで共感も興奮も何にも無い情けなさ
7月最初は、近年映画主演が年2作以上のトップ女優長澤まさみが初の母役にいどんだ「MOTHER」に。
家族連れのごった返す食堂街を通って席に着くとわずか20人くらいと
東宝シネマズの看板女優で公開2日目、最初の土曜日の午後に・・・大丈夫か?
あらすじ)
シングルマザーの秋子は、生活保護を受け一人息子の周平と苦しい生活をした。
実家に帰り両親に借金を申し込むも、親子の縁を切られてしまう。
ゲーセンでホストの遼と出会い、やがて二人は内縁関係に。 周平は学校に通うことも出来ず、荒んだ生活を続けていく。 ある日秋子は遼の子どもを妊娠するも、遼は認知せず逃走。
秋子が子どもを産んだ5年後。16歳となった周平は、学校に行かず妹・冬華の面倒を。やがて3人は住む場所にも困り路上生活となり児童相談所が救いの手を差し伸べる。
周平はフリースクールで勉強を教わり、少しずつ学ぶ楽しさを感じた。
しかし、秋子は周平に金を無心するように・・・
人の金で、パチンコやホスト遊びで散財し働かないシングルマザーと
学校に行かない、友達のいない息子
この2人の周りの大人が例外なく情けない。
覇気がなく口先で生きてる。
刺されても訴えない市役所職員、暴力を見ても警察に届けないラブホ経営者
暴力を見ても止めようとしない児童相談所職員・・・
真剣にこの親子を救出しようとはしない。
この辺りのリアルの積み重ねが、この映画唯一の真骨頂だ。
親子再生のヒントも、ヒーローも現れない
ということは悪循環しかなく、路上生活者や犯罪者になるしかない。
長澤は元亭主から養育費を受けながら働かず
子を使い金を借りさせ、犯罪させる、正真正銘のクズ親である。
同時に男に言い寄られ、利用し、性欲を発散する女でもある。
後者がきちんと描かれていないのでキャラクターの説得力を欠く。
だらしない女はだらしないセックスをする。
あるいはセックスだけはだらしなくないとか。
エロス表現がない(セックスしてる風はあるが)のだ。
例えば「復習するは我にあり」の倍賞美津子はスクリーンから
エロスの波が見えた。
裸になる必要はない。
例えばセックスに向かっていく際に、画面が回転する
白石和彌監督の映画「凪待ち」の様な映画的な至福などいくらでも技があった。
演出は東宝の看板女優故に、置きにいった感が否めない。
青空が全くない。
2人の心象風景のようにグレートーンが支配する。
笑いがない。
クズぶりをセリフでも行動でも 笑いに出来たにも関わらずだ。
チャップリン曰く
「近くで見れば悲劇でも、遠くからはコメディだ」
観客に息抜きさせないと疲れる。
物語はヒーロー登場しないんなら、せめて小さなエピソードで感情を揺さぶらないと。
エンタメに昇華しきれてない監督の力量不足。
役者陣では非共感者を演じている面々はいい仕事をした。
ホストの阿部サダヲの軽さ、トラウマを抱える児童相談所の夏帆の半歩下がって生きてる感じ、ラブホ経営者の仲野太賀の不思議な優しさ・・・など役に徹して見事にクズだった。
少年役の奥平大兼は何をしふだすかわからない不気味さをナチュラルに感じさせて好演だった。
さて主演の長澤まさみだ。
誰からも真に愛されない、息子だけを愛する(彼女なりの)人格であるためか、彼女史上初の役柄だと思う。
監督の力さえあれば、主人公が共感されなくても、別の何か「something else」で希望は見せる。
映画って本来2時間の暗闇でその「something else」を見せるものと思っているので今回は運がなかった。
どこか一つ、良い行いをしたが故に救われるお釈迦様的救いもなく、映画はただリアルを描いて終わってしまった。
ドキュメンタリー映画でもあるまいし。
50点
映画「犬鳴村」・・この町で生まれ、隣町に住む私が、地元では有名な都市伝説の映画化をコロナ開け1本目に選んだ・・
ブログ再開します。
昨年秋に、動物センターの犬を飼いだしたら、強い分離不安症で、飼い主いないと吠える、暴れる、脱走するの連続で、市の動物管理車が出動したり、仕事も一緒に出掛ける必要から車を買い替えたり、コロナより先に、新しい生活様式になってしまいました。
結果、映画館に行けない日々が続きましたが、なんとか解決しそうな予感です。
昨年末分も少しずつUPして行きます。
この映画を緊急事態宣言開けて最初に見たのは訳がある。
・家からわずか20km先にあるのが「犬鳴トンネル」
・トンネルは宮若市にあり、私はそこで生まれ隣町に住む
・母校の小学校校歌の始まりは「犬鳴きはるか・・・」
・犬鳴伝説は、確かに数十年前から地元住民も知られている
まさにご当地映画なのだ。
ホラーは基本苦手だけれど、この監督清水崇には興味があるし避けてはいられない。
初めてのイオンシネマは、お客さん5人くらいで、寒々しいが
ホラーにはちょうどいい。
あらすじ)
臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が起こり始める。
「わんこがねぇやに ふたしちゃろ~♪」 奇妙なわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される不可解な変死。
それらの共通点は心霊スポット【犬鳴トンネル】だった。
「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た…」突然死した女性が死の直前に残したこの言葉は、一体どんな意味なのか?
全ての謎を突き止めるため、奏は犬鳴トンネルに向かう。
しかしその先には、決して踏み込んではいけない、驚愕の真相があった・・・・
トンネルに深夜入りカップルが動画撮影する。
10年前ならあり得ないが、ユーチューバー時代にはこういうのが全国にわんさといるんだろう。ネットではこのトンネル前から(中には入れない)映像が山とあるしね。
廃墟に入ってからの恐怖の盛り上げはうまいもんだ。注視できなくなって下向いてた。
三吉をスクリーンで初めて見た。
目力の強い大きな体で目の前の衝撃を受け止める存在感が抜群だ。
特別の演技とかないのだがナチュラル。
随所に現れるホラー描写よりも、三吉が自身が持つ特別の能力を自覚し、家族(父:高嶋政伸 母:高島礼子 祖母:石橋蓮司)の隠された出自を探るファミリーヒストリードラマになっていく。
現在の出来事は過去に秘密があり、その鍵探しの旅である。
高嶋政伸はクセがある役はいつもうまいが、振り切った高島礼子が秀逸。女優のプライドを捨てたかのような何物感。よく役受けたな。
一方で廃墟の村にまつわる電力会社の闇も描かれる。
ここでその当時の亡霊の出現には参った。
ぺらぺら当時の模様を三吉に説明しだした辺りでトーンが変わる。
これはホラーか?コメディか?
彼女が自分の体と知恵で、今起こっている現象を解き明かしてこそ共感が生まれるのだ。
ドラマの構成はよかった。
起)お気楽カップルの悲劇
承)主人公の自我の目覚め
結)亡霊たちの訴え
ラストカットがパート2の布石だろうか?
既にある日本最恐の「犬鳴伝説」を使って
一家族の、ユーチューブ世代と因習に縛られて生きている二つの世代を描く。
同時に悪徳企業ら資本家に翻弄される住民の恨みがラストでスパークする。
俳優の力演、SFXの完成度は素晴らしかった。
縦糸と横糸がかみ合った社会派ホラーになるはずだったが・・・
おしゃべりな亡霊なんかいらない。
70点
長年この伝説に心を揉んでいた地元住民として、映画の形で終止符を打ってくれた東映と清水監督には敬意を表したい。
そもそも亡霊なんていないしね、エンタメの中だけ。
映画「ワンス・アポナ・タイム・イン・ハリウッド」何をやってもタランティーノ!人気俳優の興亡と60年代カリフォルニアの狂気が交わるサスペンスが秀逸!ブラピのカッコ良さが特筆。
何をやっても魅せてくれる我らがタランティーノ
今回はどう楽しませてくれるか?
60年代のハリウッドが舞台で・・・と言っても題材なんてどうでもよろしい。
西部劇でも、ナチハンターでも・・・結局はサスペンスあり、活劇あり、恋愛があって・・濃い人間ドラマになっているんだから。
ディカプリオとブラピのW主演?
「タイタニック」以降どうもディカプリオ主演映画が見てるとつらい。
日本で言うと「藤原竜也」で、ハンサムで頼りがいがある活躍するけどなんか共感できない、みたいな。
ブラピは頼りがいがあるがクールで余裕がある感じ。
この2人がタランティーノがどう使うか?
いつものシネコン、いつもの辺りで見て来た。
あらすじ)
1969年、ハリウッド。俳優のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、テレビから映画へのキャリアチェンジがうまくいかずに焦っていた。彼のスタントマン兼付き人のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、変わらぬ忠誠心をリックに捧げ続けており、2人は固い友情で結ばれていた。リックは隣に越してきた、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と妻で女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)に刺激を受け、イタリアで数本のマカロニ・ウェスタン作品に出演する。半年後、帰国したリックが自宅で過ごしていると、ヒッピー風の若者たちが運転する車が私有エリアに入り込み、リックとの間にトラブルが発生する・・・
人気俳優の興亡の個人史がケレン味たっぷりで描かれる。
その職場であるハリウッドの喧騒のアクセントに70年代の世界的ヒーローになった役者ばかりでうれしい。
10代の日本の少年洋画ファンを熱狂させたブルース・リーと、キング・オブ・クールのスティーブ・マクイーン。俳優がまたよく似てる。
映画小僧タランティーノの編集が実にテンポ良く飽きさせない。
人気スターが仕事を失う恐れを、ディカプリオがいい味を出している。
さすが主演の貫禄だ。
ここからが本領発揮。
60年代カリフォルニアに蔓延していたカルト宗教がスタントマン兼親友役のブラピに絡んでくる。ここからのサスペンス、ダークな匂いこそこの映画の神髄だ。
ここを描きたかったんだろうな。
街にあふれるヒッピー風の若者の群れ
郊外で独自のコミューンを作り、厳密なヒエラルキー組織を持つ。
リーダー(チャールズ・マンソン)は敢えて登場させない不気味さが人格支配されている恐怖を物語る。
このコミューンにやってくるブラピのカッコ良さ。
理解できないカルト集団VSブラピ
悪党だらけのバーにやってくる一人のカウボーイみたいな。
少ないセリフ、余裕のある態度、無駄のないアクション
マクイーンの傑作「ゲッタウェイ」見てるようなキレの良さ
ブラピ主演映画の中で最高にカッコいいシーンだ。
ラスト40分で主演が完全に入れ替わる。
この後、ロマン・ポランスキー監督、シャロン・テート夫妻に忍び寄る悲劇へと進む直前に、隣家に住むブラピと再度対決する。
2本の別の映画みたいだ。
前半はヒューマンコメディ、後半がカルト集団サスペンス
50代になったブラピは本当にいい俳優だ。
共感度が増した。
特にタランティーノと組んだ時にね。
シャロン・テート殺害事件をモチーフに「虚栄の街」に巣食う異常な人たちをスケッチして見せた新感覚エンタメが登場した。
タランティーノとコーエン兄弟の新作はこの新感覚がいつも楽しめる。
題材はなんでもいい。必ず最高の料理にしてくれる。
映画を愛し、映画に愛される稀有な映画作家だ。
90点
映画「イソップの思うツボ」昨年度BEST監督の上田慎一郎はこの先どこへ向かう?ここ10年見た中で歴史的駄作。東宝は金返せ!
2018度NO1の評価をしたのが「カメラを止めるな」
監督&脚本の上田慎一郎が文句なしの傑作だった。
その上田の次作(2018年公開「ブルーサーマルVR -はじまりの空-」はVRシアターが近くにないので見れず)は、題材がどうであれ見なければならない。
公開4日目の昼下がり、ご近所スーパーシネコンに客はたった2人
これはしかたない。
ヒットドラマの焼き直しでなく、大ヒット漫画の映画化でもなく
ジャニーズも、一人のイケメンも、綾瀬はるかもいやしないのだ。
「上田慎一郎」の名前も、九州のど田舎までは伝わらない。
それでいいではないか。
面白ければ人は来る。1年前に彼が証明したばかりだ。
あらすじも、予告編CMも見ていない、何の情報もないまま座席に座れた訳で
トリッキーな上田映画鑑賞には理想的な形でスタートした。
あらすじ)
主人公の亀田美羽(石川瑠華)は、友だちのいない内気な女子大生。人気タレント一家の娘である同級生・兎草早織(井桁弘恵)が、うらやましくて仕方がない様子だ。ある日、臨時講師として八木圭佑(高橋雄祐※高ははしご高)が学校にやってくる。彼の爽やかな前髪に早織は夢中になっていくが、美羽はそんな姿を遠くから眺めていて……。一方、父と復しゅう代行業を営む戌井小柚(紅甘)は、その日暮らしを送る自身の人生に思いをめぐらせていた・・・
物語は意味不明、サスペンスは中途半端
共同監督のせいか、3者個別シーンの表現が違うのでリズムが違う。
ラストシーンありきで、盛り上げるためにカードを並べてみた程度の
一切の感情を揺さぶられることは皆無で、虚無感しかない。
場内全シーンで無言(私含め2人なので当然だが)
観終わってシーン。
なんだこれは?
これはドラマか?
これは映画なのか?(大スクリーンと音響がいるのか?)
つまりこれはエンタメではないのだ。
「我らの」(これは最上級の褒め形容詞)上田慎一郎がね。
一体どうしたんだろう。
大学の映研でもこんなドラマは作らない、いや作れはしない。
恥かしいからだ。
作り直しか、仲間内試写で話のつまみ程度だろう。
ましてや全国の不特定多数の映画ファンから1000円以上の金を取るなんて出来やしない。映画会社はやってはいけない。
せめて公開にあたり、日本映画史上初の「面白くなかったた返金付き」にしなくてはいけなかった。よくも一般映画と同額にしたな!酷いな。
子供の頃から東宝でマンガ祭り、ゴジラ、マタンゴ、若大将シリーズ・・散々見てきたのに、なんでこんな仕打ちを50過ぎて受けないといけないのか?
80年以上、日本のエンタメ界のリーディングカンパニーとして最大のスクリーン数を持つ矜持はないのか?
(よくも今年、一律に入場料を100円値上してみせたもんだ)
それにしても上田慎一郎!
「カメ止め」がピークでいいのか?
日本映画界久々のヒーロー登場で、名声を得て、映画演出のみならず脚本、CM、ドラマ、ゲームなどコラボしたい企業は引く手あまただろう。
今なら無理な企画も通る、予算もある、演出の自由度は広がる・・・
その中で、このありさま。
昨年エンタメ界一の「登り坂」が
わずか1年で「まさか」を超える真っ逆(さか)さま
本来の持ち味をもはや期待していいものかどうか・・・
次回までは見守りたい。
立て、慎一郎。
0点
映画「天気の子」新海誠の理解不能ドラマの極北。アオハルアニメはほんと困る。美しいだけで、共感の余地がどこにもない。
新海の前作「君の名は。」が2016年8月公開か・・・
歴代2位の興行成績でこれは確かに楽しめた。
スクリーンに広がる夏のイメージが、懐かしく美しく
都会の描写が精緻で機能美に溢れ、こちらも美しく
悪い人一人も出て来ないおとぎ話を最後まで貫ける凄さ。
アオハルアニメの体を取りながらも、自己犠牲と愛についての姿勢が
肯定的で、筋の通った、突き抜けた本物のクリエーターに出会った。
それから3年
天気を操れる子がいて・・・としか情報がない中
ご近所シネコンは5割の観客で期待の高さを十分に感じつつスタート。
あらすじ)
高校1年生の夏、帆高は離島から逃げ出して東京に行くが、暮らしに困ってうさんくさいオカルト雑誌のライターの仕事を見つける。雨が降り続くある日、帆高は弟と二人で生活している陽菜という不思議な能力を持つ少女と出会う。祈るだけで晴れ間を呼べる「晴れ女」を巡る物語・・・
空、海、街、雨、雲、虹・・・何を描いても進化したな。
記憶の色を自在に操り、見たことのない忘れられない残像を残す。
世界最高峰の背景描写力顕在なり。
しかし物語は10代少年の超妄想についていけない。
「世界征服は可能か」と悩む力のある10代のナイーブさが嫌い。
主役2人がとにかく気持ち悪い。
共感する術がどこにもない。
止まない雨、晴れ女、ドロップアウトした少年・・・
物語を結びつける努力はしたものの、途中であきらめた。
平たく言うと、終盤以降何がなんだかさっぱりわからないのだ。
金払った客に頭使わせる・・・それが映画か?エンタメか?
新海誠の感性は大人として大丈夫か?
川村元気はプロデユーサーとして正気なのか?
東宝はヒットさえすればいいのか?
大ヒットの次こそクリエーターの真価が問われる。
見事に空振りして見せた。
10点