映画「ノクターナル・アニマルズ」トム・フォード監督、エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン クセになる俳優達が繰り広げるクライムサスペンス劇中劇が、過去の記憶を呼び醒す三重奏で参った。
なかなか直らない風邪にかかって出遅れた2018年の1本目に選んのが
昨年洋画NO1の「メッセージ」に主演したエイミー・アダムスと快作「ライフ」のジェイク・ギレンホールが主演したサスペンスを選んだ。
予告編しか見てないので情報不足が本来丁度いい。
何とかまさみと最近人気男優の「嘘を愛する何とか」にしようか迷ったが昨今の邦画の封切直前のTVでの番宣が余りにも目に余るのと、好感度+クセになる2大俳優の貫録勝ちで今回はアメリカ映画を。
ここ数年のエイミー・アダムスはホント素晴らしい役が多くて、クラシックな正当派美人として輝いてる。ハリウッド大作=こども映画とは距離をとって大人のエンタメに撤している姿勢が好感。
そしてくせになるNO1のクセモノ俳優、我等がギレンホール
何を考えているのか、何も考えていないのか・・・ミスター謎を演じて右に出る者がもはやいない。
あらすじ)
スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。
ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。
才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。
彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか・・
冒頭の奇怪な中年太っちょヌードダンスシーンから異様な物語がイメージされて参った。大都会の高速道路を絡まってセンスの豊さを証明してくる。
現在が描かれ、昔別れた夫からの小説が、主人公の想像を劇中劇の形で見事な暴力映画としてサスペンスを盛りあげる。
2つのドラマを匠に挟みこんでくる監督トム・フォードの才能は本物を確信。
砂漠、支配と服従、逃亡と追跡・・・あー大好きな「ノーカントリー」の世界。
保安官役マイケル・シャノンは見事だな。こっちもクセが強い。
SFXもスーパーヒーローも不用の完全実写の面白さ。このフィクションに刺激され過去の夫との過去ドラマが挿入される。
エイミー・アダムスは大学生役も演じ、20代にしか見えない美しさMAXだし、ギレンホールは作家志望の誠実さと、劇中劇での砂漠でオロオロするインテリと演じ分け演技の幅を証明する。
役者達のアンサンブルが見事で、物語が豊かで、揺さ振られる。
90点