NHK Eテレ「ねほりんぱほりん」のクオリティの高さに驚き「昔話法廷」の志の高さに感心する。出演:木南晴夏、小芝風花、安藤玉恵、宮﨑香蓮、工藤綾乃、小林涼子、真行寺君枝、ミムラ、朝倉あき、国仲涼子、光宗薫、奥貫薫
今年も40日を過ぎて、多くのドラマを地上波とネット配信で見ているが
最も感動を受けたのはNHKの子供向け番組、Eテレの数々の番組だ。
1年の受信料収益が6600億以上と潤沢な予算と、電通など民間クリエイティブと共同で作る手法で、良質なコンテンツを続々生みだしている。
まずは
山里亮太 と you がマペットになって、巷の様々な不可思議な事象を
当事者と共にみうらじゅん x いとうせいこうのスライダーショー並みに切っていく。
本人が出る深夜の民放暴露番組のつまらなさ軽く圧倒する
「ねほりんぱほりん」
山里のアイドル好きと脱力感はナレーションに最適だが
何と言ってもyou の自由さ、好奇心、質問力・・・
不可思議な現象の本質に迫るおばさんの声が実にスリリングで感動するのだ。
そして
誰でも知ってる童話・昔話を
若手女優陣 x 登場人物キャラぬいぐるみ
で物語を別の視点で再構築させるこれまでにない手法で
善悪を考えさせる「昔話法廷」
「カチカチ山」裁判の冒頭、ビジュアルだけで涙が浮かんで仕方なかった。
法廷に立つ被告人が、和服着たうさぎさんだよ。
顔は血の気のない真っ白だよ。
これは例えば
山本周五郎の名作「さぶ」の冒頭の一文
「小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。」
もう小説世界に入っていかざるをえない、魂を掴まれるのと同じ感覚
真面目にうさぎとして一生懸命に生きてきたであろう。
それが今、被告人として・・・
子供と、ある一定の年齢以上(45くらいかな)の感性のツボに刺さるのだ。
被告人のアリと検察官(ミムラ)
わずか15分の動画でこの完成度は素晴らしい。
同時にネット上で教師用のテキスト、論点整理などももDLさせ
見っ放しにさせない教育的配慮もある。
裁判員裁判の制度を理解させると同時に
裁くことの責任、裁かれることの罪の重みを教える。
志が高いのだ。
民間放送にこれを求めるのは筋が違うが、芸がないのに芸能人と呼ばれるバカのような(ようにしか見えない幼稚園児のような)人たちを、バラエティと称する番組に使い観客と代理店と称する関係者全員でスタジオで一緒になって意味もなく笑う。
大人の視聴者をバカにしてるとしか思えない。NHKと違い無料とは言え、見たくもないCMを見せられ(技術的にはCMカットは信号検知するだけで簡単に出来るが広告代理店の反対でメーカーは販売も流通も差せない)国民全体のギャンブル依存率は世界最大なのにパチンコ、競馬、競輪、モーターボートなどCMは流しっぱなしの矛盾。
漫画や小説を元に映画化、制作委員会方式で局とタイアップ、公開時に番宣で出ずっぱりのバカプロモーションを許し1000円以上の料金を取り粗悪品を観せられる。
民間放送の異常さをよそに、真のクリエイティブはひっそり公共放送で子供向けに無料で見れる。裏返せば、優秀な人材は映画界に行かないでNHKにいる訳だ。
大画面で、エンタメとして、2時間魂を揺さぶって欲しいけどね。
動画配信の最高のクオリティを子供だけに独占させるのはもったいない。
全話NHKのWEB上で配信中(以下参照)