映画「アンチポルノ」 監督:園子温 冨手麻妙、筒井真理子
月曜日の午後に、5割の入りは異常だと思ったら「メンズデー」だった。
劇場内は異様な熱気で、なんかいつもと違う。
園子温 x ロマンポルノへの期待か?
あらすじ)
小説家兼アーティストとしてブレイクした京子は極彩色の部屋に籠もり、マネージャーの典子から知らされるスケジュールを分刻みでこなす毎日を送る。次第に虚構と現実の境が曖昧になっていく中、京子の意外な過去が暴かれる・・・
主演の冨手麻妙があっけらかんとヌードになってくれるが。
80年代に日活の映画館で見た赤坂麗、宮井えりな、風祭ゆき、小川美那子、朝吹ケイトなどのもつ影のある女たちを見てきたので、あの頃のエロスとはほど遠い。
大人の女性の色気を全く感じない。
かといって少女の毒気もない。
主役をやるには何か大切なものが足りない。
共演する筒井真理子を初めてスクリーンで見るので楽しみにしていた。
美しい裸もSMもどきプレイが中途半端で、彼女の魅力の出る幕がなくかわいそう。
他の共演者も異型の人形かロボットの様で・・・
誰一人共感もないし、ふざけたコスプレの学芸会のよう。
極彩色の絵づくりも悪趣味だし
【ホフマンの舟歌】だけが空虚に流れる・・・
どうしたのか、園子温!
「冷たい熱帯魚」で魂を鷲掴みされた悪の魅力、とか
「恋の罪」でインテリの心の砂漠を見せてくれた迷宮、とか
2作はAmazonプライムで見れる。
(「ヒミズ」、「地獄でなぜ悪い」「希望の国」「TOKYO TRIBE」も)
「愛のむきだし」の何だかわからない疾走感、とか・・・
何も園がなかった。
最近は1年に2,3本を公開させる売れっ子になってクオリティを保てないのか?
日活の企画に乗っただけの箸休めかな。
だから観客はごちそうを何一つ食べれない。
「アンチポルノ」は「アンチソノシオン」だった。
10点