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批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー・宇多丸氏やたまむすび・町山智浩氏のブログを見習って公開初日最速レビューを心掛け、評価は点数制。みうらじゅんとカンパニー松尾をリスペクトするフォトグラファーがお届けします。

映画「SCOOP!」公開初日レビュー 大根仁監督 福山雅治・二階堂ふみ・吉田羊

週末の興行収入邦画NO1狙いか?

映画に日に敢えて持って来た「SCOOP!」を見に行った。

売れないとはいえ私もカメラマンやってる以上は
映画でのカメラの扱い(福山はCanonのフラッグシップ EOS 1DXにEFのLレンズ)

レンズ選択、構図などプロらしさをぜひ見ておきたい。

演出はデジタルな現代を撮らせたら日本一の大根だし
リリーも出てるわ、全身女優二階堂が相棒だし。

(以下ネタバレ少しあり)

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100万都市の雨の上がった、公開初日の12時スタート

このべストタイミングでの客の入りの中途半端さがスクープか?

 

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初の汚れ役で、過去のトラウマを引きずり

借金を持ち自堕落で、中年、フリーランスという(俺とそっくりだ)

パパラッチ・都城静を無理してる風もなく

あんちゃんキャラが随所にあふれ

下ネタ、車内S●Xも、キャバクラ対面座位も

(ここは俺と違う、腰痛持ちで出来ない)

ふつーに演じている。

 

これまで彼は「ガリレオ」から「そして父になる」と

その役になりきりながらも、スター福山と両立させる

離れ業を見せてくれていた。

 

それは極度にカメラマンに私生活を撮らせない努力の賜物で

もうひと回り、役所を広げるのに選んだのが

逃げ切られたカメラマン役とは・・

これこそスターの運命なのだろう。

 

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映画館で見るのは初めての吉田羊だが

驚いたのが

始まる前の近日公開映画紹介で

その半分に吉田が出ていることだ。

これこそスクープだ。

 

コールドケース〜真実の扉 wowowドラマ

映画「ボクの妻と結婚してください。」

映画「グッドモーニングショー」と続々公開が待っている。

 

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福山の元彼女でありながら、家に朝食を作る程度の距離感を残しつつ

仕事上は上司で、福山の再起を助けようとする写真系週刊誌の編集キャップ

を完璧に仕上げている。

 

仕事の強引さ、部下さばき、リーダーシップと

社内政治の処世術にたけた、頭の回転の速さはまさに適役。 

また、日本には一人もいなかったハリウッド女優のような

クールセクシーとその裏返しの優しさの匂いがたまらない。

 

この吉田を見てしまったら他の女優をもはや考えられない。

独壇場だ。

 

働く現代女性のオンとオフをきっちり説得力と共感力のある

この演技されたら、エンタメ業界は黙ってはいられない。

スケジュールの奪い合いになるのは自明だ。

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そして新人記者役の二階堂は

「ほんと最低・・・」を口にしながらスクープ仕事で成長する。

下着姿に躊躇な無さも好感だ。

 

イラストレーターとしてより天性の役者としか言いようのない
リリー・フランキー(私と郷土が同じ福岡県)はまさに水を得た魚で

世界の大都会の片隅に必ずいる、何を考えているか全く知れない狂気を含んだ普通人

としてスクリーンを圧倒する。

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全体を通じて随所にストリート感溢れる演出が冴える。

冒頭のタイトルロールまでの長回しの緊張感

ドローンを使った東京夜の俯瞰の美しさ

トンネル内の警察とのカーチェイスのサスペンス

編集部内の撮影戦略ジオラマの面白さ

半人前社会人が仕事と恋で成長するワクワク感

 

さすが街に飛び出す大根仁

大都会のいまを見事なタッチで切り取って魅せる。

 

そこは昨年見た「ナイトクローラー」を思い出した。

唯一の弱点は

役柄での運命の友、リリーとの過去の事件の重さが明らかにされないので

そこのセリフ説明だけが妙に浮いて?が残る。

 

今年春の最低映画の一つ

「エヴェレスト 神々の山嶺

にも低通するドラマセオリー

「背景が描かれるとより説得力を増す」

が逆に作用した。 

そこは省略やめようよ。 

 

映画の尺は必要だがそれによって観客の心には

愛はより深まり、悲しみは悲劇に転じ、

それ故に残された者への共感が残り

故にドラマは傑作と呼ばれる。

 

でもアニメでは描けないこの下世話な世界観。

実写でロケでしか出せないストリート映画なのだ。

この手のドラマが邦画は実に少ない中で見事。

 

しかし東宝はこの夏からの「シン・ゴジラ」「君の名は。

と、怪獣でも、アニメでも、人間ドラマでもクオリティは高い。

 

物語的にパート2が出来ないからこそ

傑作にして欲しかった。惜しい。

 

95点

 

次回は絶対イーストウッド作品です。

嘘ついたらハドソン川に飛び込みます。

さよなら、さよなら、さよなら。

 

追記)

後で思い出したがカメラマンとしての違和感は

どのシーンも福山はレンズフードをしていないこと!

 

撮影場所が屋上だったり、階段だったり、車内だったり

だし、基本その後に逃走が待っている。

追手がいるのにバックにしまっている時間はない。

レンズフード装着のまま、レンズキャップをハメて

全速力のはずだ。

 

レンズの先端は最もいろんな物にぶつけるリスクが大きい。

また夜シーンではネオン光がレンズ内に反射して

決定的な場面がハレーションでは使えない。

DPP4はもちろん、フォトショップでもLIGHTROOMでも

修正できない。

 

望遠300、400のキャノン純正は100万超えなので

フリーのプロカメラマンなら有り得ないありえない。

福山+カメラのルックのカッコ良さを優先した結果だろう。

「神は細部に宿る」