映画「フェイク」 森達也監督 佐村河内守
梅雨前の暑さに耐えきれず映画を物色してたら
地方都市のアートシアターに監督森達也の新作が上映されていた。
金曜日の10時55分、開演前にシニア層が10人ほど並ぶ
大ヒットの様相だ。
オウム事件でも白か黒かの2言論の危なさを指摘する姿勢が印象に残る。
佐村河内事件は主役のイメージの強烈さ
新垣隆、神山典士、週刊文春など脇役もキャラ立ちがおいしい。
新垣氏はこれを契機に音楽家として大ブレークを果たす。
神山氏もこの告発記事でジャーナリストとして注目を浴びる。
オウムの次として
15年ぶりの映像対象としてまさにドンピシャ。
森達也の為に起こった事件のような。
佐村河内宅で森が密着する。
何を話し、何を話さないか?真実は何か・・・
ワクワクしない方が難しい。
特に「 衝撃のラスト12分」とコピーされたらまんまと
飛んで火にいる夏の虫にならざるを得ない。
これも映画的至福だ。
フジTVの番組関係者らが出演依頼するくだりの本質を
森が斬り捨てる。
視聴率欲しさに平気で美しい建前を述べる高級サラリーマンと
事件でトラウマを負った佐村河内との対比がうまい。
事件の真相は意外な方向へ導かれる。
この事件のフェイクとは?
ドキュメンタリー作品の中でフェイクとか?
(私は映画館で余りの至福に酔うと寝るくせがある)
まずいことにラスト10分くらい寝てしまった。
森のラストの問いかけの言葉で起きた。
DVDで見直すまで今回点数は付けない。
しかし全編手話通訳をする夫婦愛を見せてもらった。
これは出色の恋愛映画である。
必見だと思う。
兎に角おもしろいのだ。
見るのだ。