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批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー・宇多丸氏やたまむすび・町山智浩氏のブログを見習って公開初日最速レビューを心掛け、評価は点数制。みうらじゅんとカンパニー松尾をリスペクトするフォトグラファーがお届けします。

映画 「残穢 【ざんえ】 住んではいけない部屋」 竹内結子・橋本愛・佐々木蔵之助

最近、邦画が見たいと思うようになった。

洋画だとどうしても字幕を追ってしまい疲れる。
 

ハリウッドバカ映画ならセリフなんか見ないで

SFXだけ見てればいいのだが

ヨーロッパ映画は基本特撮なしのシリアスだから

同じ画面上の一部を凝視し理解し、全体も見る。

これが2時間続くとかなり疲れる。

そこで邦画なのだが、ジャニーズとか子供タレントの恋愛映画
ばっかりで、とても大人の見れるものがない。

と、思っていたら、竹内結子主演のホラーがある。

子供の頃から、生理的に怖いのもが見れないヘタレである。

今でも、テレビでホラー見るときでさえ、ショックシーン付近で

目をそらす。映画ならなおさら恐怖が増す。

ただ竹内結子である。

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最近の彼女は素晴らしい女優になっていることは感じていた。

特に声。

加齢と共に、大人は一般に低音になる。

竹内は、明快な発音と表現力が増して言葉のイマジネーションが広がる。

映画館で彼女を見たことは一度もないが、これは見たくなった。

映画館に入ると、客は私1人。

これがまず怖い。

後から一人入ってきたが、離れた所に座ってしまい周りは真っ暗。

寒気を感じた。金返してくれたら退場したいが・・・

我慢してたら、映画は始まった。

 

物語)

主人公の「私」(竹内結子)は、ホラー小説を専門に活動する作家。 同じくホラー作家である夫と慎ましく暮らすある日、読者から一通の手紙を受け取る。 手紙の送り主の名は久保さん(橋本愛)。 手紙によると、久保さんが新しく移り住んだ岡谷マンションの一室から、ほうきで畳を掃くような音が聞こえるという。  ホラー作家という性分もあってか、好奇心のまま調査をはじめる私と久保さん。  よくある怪談なら「昔ここで住んでいでいた人が自殺した」といった展開が待つ。 だが久保さんが住むマンションの他の部屋でも怪奇現象が起こっており、奇妙なことにそのマンションでは過去に殺人や自殺は起こっていないという。  深まる謎の答えは、マンションが建つ「以前」にあった。

調べを進めていくうちに、岡谷マンションが建つはるか昔、歴代の住宅の住人は、「床下から赤ちゃんの泣き声がする」という証言を残していたとわかる。  そこで「私」は、過去に起こった赤子殺し事件による【穢れ】が現代にまで受け継がれてしまっているという仮説を立てる。  謎の究明にのめりこみ、徐々に過去へとさかのぼって調査する私と久保さん。 そして行き着いた先は、東京から遠く離れた九州の地にある奥山家だった。

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竹内のナレーションで物語が始まる。

その声が実にいいのだ。

過不足なく説明する文章(声)が明解で知性を感じる。

リズムがある。説得力がある。

彼女は作家役だ。

また、好奇心旺盛な橋本愛もいいな。

建築学部4年の大学生を等身大に演じている。

キャスティングが見事に成功している。

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Jホラー特有の、ジワジワゆっくりくる不安定感とでもいうか

最も感じたくない怖さを感じ、途中何度も目線をそらせた。

謎捜しの旅に作家仲間が加わっていくと少し楽に感じる。

女子2人のホラーから、謎解きサスペンスに変わっていくからだ。

中盤から竹内は30代中頃の子供のいない感じから

少し老いた感を全身で見せてくる。

驚いた、こういう演技も出来るとは。

老いた竹内に、もしかして「穢れ」がとりつくのでははないか?

漠然とした不安を感じさせるのだ。

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案の定「事件について聞いたり、喋っただけで呪われる」

という言葉が現実になっていく。

 

人々を怯えさせるものの描き方は、見慣れてくると

そう怖くなくなるから不思議だ。

途中一度も笑いも泣きもなく淡々と事実を求める姿勢がいい。

奇をてらったホラーではなく大人の鑑賞できる水準に

なっている。

黒沢清の後継者がやっと現れたか。

70点