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批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー・宇多丸氏やたまむすび・町山智浩氏のブログを見習って公開初日最速レビューを心掛け、評価は点数制。みうらじゅんとカンパニー松尾をリスペクトするフォトグラファーがお届けします。

映画「 グリーン・インフェルノ」 イーライ・ロス監督

2015年最後の劇場鑑賞となる。

暮れも押し迫った12月29日の20時以降のレイト割りを使って、今風のシネコンでない、昔ながらのおんぼろ映画館。

観客は数人。

最前列一人で食人族映画を見る、映画の中身と別の怖さ。

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70年代に本物の殺人映画とか、世界残酷ドキュメンタリーが流行したことがあったがエクソシストも見ていられないので、この手の鑑賞はトラウママストなのでパスしていた。

が、監督のイーライ・ロスは、数年前にYouTubeで「ホステル」1,2をたまたま見ていてホラーセンス溢れる演出力は知っていた。
さらに、リスペクトする町山氏が褒め、高橋ヨシキ氏が感心(サタニストなので当たり前だが)するのでぜひ劇場で見ておきたかった。
 

特に高橋氏が指摘するホラー的な要素にプラスして、環境保護名目のテロリストたちを主人公に置いたシニカルなコメディという部分が心惹かれる。

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あらすじ)

不正なアマゾンの森林伐採の実態を世に訴えるため、学生たちの活動家から成るグループは現地に赴く。その後、彼らの度を越した行動が目に余ったため全員強制送還されることになるが、その途中で搭乗機がエンジントラブルを起こしてしまう。熱帯雨林に墜落した飛行機の生存者たちは救助を求めるが、彼らを待ち受けていたのは食人族だった・・・

 

冒頭のアマゾン上空の空撮が続くと、緑が美しさから狂気の色に思えてくるセンスの良さ。そしてアメリカの大学構内での活動家たちの様子と、距離を置いてみている外交官の娘の女子学生の立場でカメラは立つ。

そして軽い気持ちでアマゾンの奥地へ入る。ここでジャングル伐採する企業への体を張ったエコテロを起こす。

コッポラの「地獄の黙示録」が始まる。
異界へのいざないにはボートの川登りこそふさわしい。

敵は伐採企業。

武器はスマホで、戦術は全員で抗議活動をネット中継、戦略家のリーダーの読みが当たる。この辺りのスリル演出はスピーディで上手い。

この得女子学生は父親の立場を利用され騙されていたことにきずく。

そして帰途途中のセスナ墜落から非日常、不条理の世界に投げ出された学生たちの悲劇が始まる。

 

森の中で、アッという間に食人族に囚われの身となる。

仲間は簡単に殺される。

スマホでは彼らには勝てない。

彼らのボートで部族に拉致される。

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牢に集められ、一人、また一人と食べられていく。

さてどうやって脱出するのか? 

出来るのか?・・・・

残酷シーンが多いが、Jホラーの様な陰湿さはなくカラッとしている。笑えるシーンがもっと多いと思ったが数か所のみ。

「こんな残酷は部族がいました」ではなく、むしろ、環境保護の誰もが反対できない運動に安易に乗っかり謝らせるインチキな、お手軽な正義感を持った先進国の若者への警鐘のメッセージとして浮かび上がる。

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元食人族らしいが、現地の本物の部族のリアリティが実にいい。 

イーライ・ロスの演出は、これまでの戦争アクション映画のオマージュに満ちこれからも目が離せない。

 

80点