批評サムライ  ~映画・ドラマ・小説・エンタメ ★斬り捨て御免!~

責任が何でも曖昧なこの国で娯楽くらいは白黒ハッキリ!大作も小品もアダルトも興業収入も関係ない。超映画批評にない「上映途中の居眠り」が特技。シネマハスラー宇多丸氏、たまむすび町山智浩氏、シネマストリップ高橋ヨシキ氏を見習って公開初日最速レビューを心掛け評価は点数制。地方在住フォトグラファーがど田舎のシネコンでネタバレあり&あらすじ&見たまま感想ブログ

映画「去年の冬、きみと別れ」岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、土村芳、北村一輝 焦る脚本と力が入った稚拙な演技が目立ち、どんでん返しの魅力が半減した残念作

カメラマンが例え探偵でも、殺人者であってもドラマになればこれは見たくなる。

どんなカメラで、何を撮っているのか?

自分も含めて変人多いしね。

それに原作は話題の作家・中村文則のミステリーだし

「BG」で落ち着いた感じの斎藤工がどういう芝居を見せるか?

やっといつもの、ど田舎シネコンの定位置にひとり収まり
最終回の少ない観客と邦画を楽しめる。

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あらすじ)

婚約者との結婚を控え、幸せの只中にいる新進気鋭のライター・耶雲恭介。

彼が次の仕事のターゲットとしたのは、連続焼死事件の容疑で逮捕された天才写真家・木原坂雄大でした。

彼は何のために二人の女性を焼き殺したのか?

それは本当に彼の仕業だったのか?

事件の真相を追って木原坂や彼の姉、そして謎の人形師などに取材を試みるうち、いつの間にか彼らの術中にはまって抜け出せなくなっていく耶雲。

果たして耶雲は、婚約者との元の幸せな日々に戻ることができるのか・・・

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岩田剛典という人をこれまで見たことも聞いたこともない。

固定観念かも知れないがライターという自由業のもつ独特のやさくれ感がない。

迷いのない、隙のない、誰に対してもぐいぐい迫る一本気は、共感できない。

(この一貫さがどんでん返しの伏線でもあったことがわかるのだが)

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天才カメラマン役の斎藤工。

今回はその輝きが足りなかった。

これは脚本ミスだな。

知らない男に家の鍵を渡す異様さとか

何故に天才なのか、さっぱりわからない。

このキャラ設定が不十分だと、発言の重みと深みが感じられない。

エピソードを重ねて丁寧に映像で見せないといけない。

先を急ぎ過ぎ、この辺りは黒沢清を勉強して欲しい。

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対して彼女役の山本美月は幸薄感がいいな。

(福岡出身なので応援してます)
後半のキーウーマンなんだけど美女と悲劇は相性がいいね。

かわいそうなのが北村一輝

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物語の最大のキーマンなのだが

そこまではライターのボスとして敏腕編集長然としてキャラ作りに成功していたが、感情の揺れを吐露するシーンの下手さはどうしたんだろう。途端に学芸会になった。

これまで見たドラマのカッコ良さはなんだったのか?

別テークをやらせるか、カットして構成変えるかしないとね。

これは監督の演出力の無さだな。

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収穫は浅見れいな

対談した宝塚男役のようなキリッと感とミステリアスが似合う。

30代の訳ありショートカット美女は恐ろしい。

 

 

 

どんでん返しは確かに面白く見れたけど登場人物の誰にも共感がないし

どいつもこいつも悪人だらけで後味はかなり悪い。

 

おまけに最後に流れるイメージソング

3分の音楽で2時間の苦労を一瞬で台無しにするこの手法

殺意さえ覚えた。

 

70点

 

 

 

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」ギレルモ・デル・トロ監督 サリー・ホーキンス アカデミー作品賞を獲った夜に見に行ったのだが・・・

アカデミー発表日の夜で、作品賞獲ったし、auマンデーは2人まで1100円なので久しぶりに彼女を連れて見に行った。

巨大スーパーイオンの内の東宝シネマズ。今回は人が多いだろうなと思ったら、閉店ガラガラ。

最後尾の真ん中で、見晴しはいいが、前席の下がり角度が低くて、カップルシートもない。肘掛がデカくて、あがらないので、変なこともできやしない。

いつものド田舎ユナイテッドシネマの素晴らしさがわかった。

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デルトロ監督作品を見たことがない。

メキシコ人で、太ったオタク以外の情報はない。芦田愛菜が出た「パシフィック・リム」は知ってるがガンダム風は嫌いで見ないことにしている。

だけど、予告編で半漁人とのラブロマンスと、秘密兵器開発と50年代冷戦下サスペンスときたら興味はある・・・

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あらすじ)

1962年、アメリカとソ連が対立していた冷戦時代。 イライザは一人で安アパートに暮らす中年女性。 隣人であり親友のジャイルズも独り身、パイ屋の男に想いを寄せながら日がな一日画家として絵を描いています。 イライザは幼い時に声帯に傷を負い、今もその傷痕は首筋にハッキリと残っていました。 彼女が深夜から朝にかけて働いている職場は、アメリカ政府の機密機関「航空宇宙研究センター」。 そこにはゼルダという仲良しの黒人の同僚がいます。彼女は声の出せないイライザの分まで喋るかのように、いつも夫の話ばかりをしています。 ある日、職場にアマゾンから極秘の生き物が運ばれてきました。警備として元軍人の大柄で横柄で差別的な男、ストリックランドもやって来ます。 堅く閉ざされた扉の向こうにいる生き物が気になるイライザは・・・

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主演のサリー・ホーキンスは全く知らない。

と思っていたら、幼児虐待容疑濃厚でもう新作は作れないであろう天才ウディ・アレンの「ブルージャスミン」の妹役ではないか。世渡りが出来そうにないブルーカラーの蓮っ葉女性を見事に演じていた。

今回、声の出せない、恋人がいない、一人で生きている薄幸の面影が抜群にいい。

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バスタブ内の秘め事はR15指定になってもこのシーンはキャラ設定に必然だ。

半漁人は出てくる前で、この映画は「ディズニーじゃないよ」宣言で、もしかしてエロ映画か?と違った期待も出てくる。

肉感的というよりも処女性を感じて、それが41歳とはね。

こういう展開はおじさん世代にはうれしい。

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職場で最高機密の半漁人と出会うのだけど、興味から好きになる尺が早すぎる。もっとエピソードをつないだ中で劇的な何かがあった方が感情移入できる。

旧ソビエトスパイに協力する科学者や、痛めつける政府側キャラ設定がステレオタイプで、わかり易いのだけれど、冷戦下の厳しい現場で生きるヒシヒシ感が足りないな。

それに国家機密をこんな簡単に、ウソみたいに脱出できるかな?

「ミッション・インポッシブル」のスパイのプロチームならまだしもね・・

この変のリアリティの無さは目をつぶろう。

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脱出させてからのアパート内の撮影は見事だな。

猫シーンはショックで倒れそうになった。

あれはいかんよ、カットだカット!

 

北野映画がブルーなら、この映画はグリーンだね。狂気の色。

人と半漁人の愛もある種の狂気だし、冷戦下の核戦争時代の狂気でもあるし。

夜の雨のシーンはさらに懐かし色で綺麗だ。 

社会の片隅で、障害のある隠れるように一人で生きてきた女性が

職場で運命の出会い、恋をして、愛するが故に、別れないといけない。

彼氏はただ半漁人・・・

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生まれ故郷に、自由な世界へ戻したい主人公が切ない。

こっちは「ロッキー」みたいに彼女を全力で応援したいんだけど最終コーナーの起伏がないので本当に残念。ラストが2人の世界になるだけにね。惜しいな。ドラマは脚本だな。

ヌードが多いのに作品賞を獲ったのは、ある種のメッセージなんだろうな。

壁を作ろうとするトランプ狂気の中、マイノリティ側がエンタメ作品としてささやかな爆弾を投下して壁を壊す抵抗なのだろう。

「大脱走」「カッコーの巣の上で」「ソーシャンクの空へ」

自由への渇望は映画のラストシーンとして最高に萌える。

これでいいのだ。

 

85点

映画「リバーズ・エッジ」行定勲監督 二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨 岡崎京子のいつものテーマ=愛故に傷つける、自傷するかの2者択一アオハル映画

今年最初の邦画観賞は、都会近くの川沿いの青春群像を選んだ。

岡崎京子原作となれば、傷口に塩のみならず、酢・砂糖・たぎった油とかなんでもありの自傷ドラマだろうし、映画館で観るのはけっこう勇気がいるけどね。

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主演意外は誰一人知らない。だけど、皆んな良かったな。

いじめ、監禁、放火、売春、セックス、自殺など事件と事故がある高校のあるクラスで同時進行する。

大人になればやりすごす術がわかるのだろうが、10代には通じない。

 そのもどかしさがリアルに描かれる。

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最近の二階堂の無敵感がカッコいいな。

それでいて毎回、置きに行った演技をしない役者魂が見える。

おっぱいだすのはお約束見たくなってきたし青姦だし。

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最大の収穫はSUMIREかな

ネコ殺しの危なさと愛に飢えた絶望感が同居したキレる一歩手前芸で完成してる。

ミステリアスは女優の最大の武器だな。

 

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土居志央梨の屈折演技も良かった。

学校に一人必ずいるホステス風の、誰とでも寝る肉感さが伝わってくる。

ひきこもりオタクの屈折姉も最高だった。

 

アオハル映画も腕のある監督が撮ると見ごとに耀くけど

映画館を出る時の壮快感はゼロなので困ったものだ。

 

80点

映画「スリー・ビルボード」マーティン・マクドナー監督 フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェルの陰鬱演技合戦、着地点の予想不能感、地方都市住民のスケッチが愉しめる快作。祝アカデミー主演女優、助演男優賞!

アカデミー賞が今日発表になって2人同時受賞で(他人事なので賞に関心はない)この映画、先月見たのにブログ書き時間がなかったが思いだした。

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あらすじ)

アメリカ、ミズーリ州のエビング。

ある日、道路沿いにメッセージが現れる 「レイプされて死亡」 「犯人逮捕はまだ?」 「なぜ?ウィロビー署長」

7ヶ月前に娘を殺された母・ミルドレッドが進展しない捜査に腹を立て広告だった。 ニュース番組のインタビューを受け、波紋はどんどんに広がってゆく。

警察署長、部下ディクソン、牧師、歯医者、元旦那、広告会社社長など巻き込んで思わぬ方向へ・・・

 

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冒頭のさびれた看板シーンから、もうワクワクする。

「スター・ウォーズ」とか「なんとかマン」とかSFXハリウッドインチキ映画では決して味わえない。本物のドラマの香りね。

アメリカの小さな街に起こるであろうとんでもない騒動のイメージが広がる。

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徐々にフランシス・マクドーマンドの奥に秘めた怒り、悲しみ、激しさが見えるんだな。「ファーゴ」も見事だった。決して所謂、美人女優ではないが、(見た目)普通の人(心の中は闇)を演じてNO1だな。素晴らしいな。

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警察署長は、何考えてるかわからないエキセントリック俳優のウディ・ハレルソンが今作では泣かせる。

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その部下、サム・ロックウェルの異常者ぶりにホレボレする。若きジャック・ニコルソンからセクシーさを奪った様なな。

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娘を殺した犯人探しを縦軸に、母と地域社会との反目を横軸に、2人の警察官との奇妙な協力関係の3つどもえが、どう着地するのかまったくわからない。

 

殺人事件映画の傑作「ミシシッピ・バーニング」の様な人絹無視の捜査もなく、「ゾディアック」の様な知的興奮もなく・・・どのジャンルにも属さない人間ドラマだ。

 

気取った美男美女がでてこない渋い40、50代の名優たちの演技のアンサンブルがほんとに堪能できる。

 

こういう映画なら予算も大きくないので日本でも作れると思うんだが、まだ吉永小百合を昭和史の中で泣く母を演じさせて、観客を泣かせる「昭和30年代方式」が今でも残る悪しき邦画界はどうしたものか・・・

 

いいドラマは脚本と俳優だな~とつくずく思うな。

 

95点

 

 

 

映画「ノクターナル・アニマルズ」トム・フォード監督、エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン クセになる俳優達が繰り広げるクライムサスペンス劇中劇が、過去の記憶を呼び醒す三重奏で参った。

なかなか直らない風邪にかかって出遅れた2018年の1本目に選んのが

昨年洋画NO1の「メッセージ」に主演したエイミー・アダムスと快作「ライフ」のジェイク・ギレンホールが主演したサスペンスを選んだ。

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予告編しか見てないので情報不足が本来丁度いい。

何とかまさみと最近人気男優の「嘘を愛する何とか」にしようか迷ったが昨今の邦画の封切直前のTVでの番宣が余りにも目に余るのと、好感度+クセになる2大俳優の貫録勝ちで今回はアメリカ映画を。

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ここ数年のエイミー・アダムスはホント素晴らしい役が多くて、クラシックな正当派美人として輝いてる。ハリウッド大作=こども映画とは距離をとって大人のエンタメに撤している姿勢が好感。

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そしてくせになるNO1のクセモノ俳優、我等がギレンホール

何を考えているのか、何も考えていないのか・・・ミスター謎を演じて右に出る者がもはやいない。

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あらすじ)

スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。

ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。

才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。

彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか・・

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冒頭の奇怪な中年太っちょヌードダンスシーンから異様な物語がイメージされて参った。大都会の高速道路を絡まってセンスの豊さを証明してくる。

現在が描かれ、昔別れた夫からの小説が、主人公の想像を劇中劇の形で見事な暴力映画としてサスペンスを盛りあげる。

2つのドラマを匠に挟みこんでくる監督トム・フォードの才能は本物を確信。

砂漠、支配と服従、逃亡と追跡・・・あー大好きな「ノーカントリー」の世界。

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保安官役マイケル・シャノンは見事だな。こっちもクセが強い。

 

SFXもスーパーヒーローも不用の完全実写の面白さ。このフィクションに刺激され過去の夫との過去ドラマが挿入される。

 

エイミー・アダムスは大学生役も演じ、20代にしか見えない美しさMAXだし、ギレンホールは作家志望の誠実さと、劇中劇での砂漠でオロオロするインテリと演じ分け演技の幅を証明する。

 

役者達のアンサンブルが見事で、物語が豊かで、揺さ振られる。

 

90点

 

 

 

第2回 批評サムライ 映画大賞2017発表

遅ればせながら謹賀新年

昨年からお付き合い頂きありがとうございます。こんな味も素っ気もないブログですが毎日、100名以上の方にご覧頂き感謝です。

年の初めにあたって恒例の批評サムライ 映画大賞を発表します。

 

対象)

2017年に見た映画(邦画・洋画)、TVドラマ、アダルト、新作も旧作も、初見も再見も、劇場公開でも動画配信もレンタルでも、PCでも、タブレット、iPhoneでも、YouTubeAmazonプライムビデオ、U-NEXTでも何でもOK。鑑賞したもの全てです。

・劇場鑑賞映画は全て数日以内に記事にしています。

但し、邦画偏重です(日々報われない環境で、人生を捧げる日本映画人へのリスペクトがあるので、これはしょうがないです。)

 

【映画賞】

グランプリ作品賞 「彼女の人生は間違いじゃない」

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 「3・11」の映画やドラマが少ない中、真正面から避難所暮らしの心の闇を描いて秀逸。随所にリアルで、最後に希望の素晴らしさ。いい役者たちが躍動する。

 

監督賞 ポール・バーホーベン(エル/ELLE)

脚本賞 

脚色賞 「散歩する侵略者」

 

主演男優賞 國村隼(コクソン)

まさか我らが名バイプレイヤーが韓国の山の中であんなことをやってるなんて・・・

世界の映画人はよくアジアの片隅を見ているな、と感心。

 

主演女優賞 瀧内公美(彼女の人生は間違いじゃない)

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テレビに一切出ないのは何故かな?

  

助演男優賞 光石研(彼女の人生は間違いじゃない)

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ジェイク・ギレンホール(ライフ)

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助演女優賞 恒松祐里(散歩する侵略者)

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インパクト大の侵略された女子高生をサラッと好演

スクリーンに映えるな。

 

特殊演技賞 宇宙人2体(メッセージ)

撮影賞 「アウトレイジ 最終章」

音楽賞 「ラ・ラ・ランド」「メッセージ」

万人が親しめるラ・ラ・ランドと感性がわかる人だけ琴線に触れるメッセージと。

 

音響賞 「メッセージ」

無国籍な宇宙的広がりがたまらない。

 

圧倒的存在感賞 イザベル・ユペール(エル/ELLE)

 

ポスター賞 「メッセージ」f:id:kudasai:20170519161113j:plain

クリエイティブ賞 「昔話法廷」シリーズ NHKEテレ

 

特別期待賞 松坂桃李  

彼女がその名を知らない鳥たち」のすけこまし演技が秀逸で、スクリーンサイズに合うオーラを感じて、ジャニーズ系、エグザイル系の品の無さと対比すれば上品さが際立つ。日本映画を背負う近年の収穫。

 

トップ8

・「散歩する侵略者」 

・「アウトレイジ 最終章」

・「ライフ」

・「ラ・ラ・ランド」

・「コクソン」

・「マッドマックス 怒りのデスロード4DXモノクロ」

・「エル/ELLE」

・「彼女がその名を知らない鳥たち」

 

ワースト8

・「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

・「探偵はBARにいる3」

・「アンチポルノ」

・「昼顔」

・「IT/イット」

・「ザ・マミー」

・「22年目の殺人」

・「ワンダーウーマン」

 

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は特に酷いな。さー泣け、今泣けの押しつけの無神経さがね。

「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」シネマハスラー恒例シネマランキング2017ベスト10+ワースト作品

年末恒例、リスペクトする宇多丸氏のベスト10を聞くたびにもう1年が終わったと感じますね。

今回は私が見た作品と比較すると見逃した作品ばかりで3本しかかぶってません。

公開時の映画館体験とDVD観賞や動画配信は微妙に感動の質が違うので・・・しまったと思うばかりです。

職人スコセッシも好きだけど、何と言っても半径5Mの日常生活スケッチがとにかく愛おしい「我らのジャームッシュ」と、ハリウッド大作の陰でこっそりひっそり上映された「ありがとうトニー・エルドマン」を見逃したのは残念。

ヨーロッパのコメディは見とかないと人生損します。

 

春頃話題になった「ラ・ラ・ランド」もラの字もなかったのは意外でした。

今年度はワースト作品はゼロでした。

 

⑩ KUBO/クボ 二本の弦の秘密(米 トラヴィス・ナイト監督)

  3Dストップモーションアニメ作品

  声優 シャーリーズ・セロン他

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⑨ 沈黙 サイレント(米 マーティン・スコセッシ監督)

原作:遠藤周作

出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライヴァー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮他

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⑧ SING/シング(米 ガース・ジェニングス監督)

こちらも3Dアニメ

日本語吹き替え声優陣(山寺宏一、坂本真綾、宮野真守、長澤まさみ他)の素晴らしさが話題に。

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⑦ パターソン(米・仏・ドイツ ジム・ジャームッシュ監督)

出演:アダム・ドライヴァー、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏

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この絵作りだけでジャームッシュの構図だしカラーだし。

流れる時間をいつも止めてみせるジャームッシュ・マジックだね。

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こんな人めったにいない。

本物の芸術家。

 

⑥ ハクソー・リッジ(米・豪 メル・ギブソン監督)

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どうもこの乱暴男の暴力嗜好がどうも好きじゃなくて・・

作品見てから評価しないといけないんだけれどね。

 

⑤ ありがとうトニー・エルドマン(ドイツ・オーストリア マーレン・アデ監督)

予告編見て絶対見ないと・・・と思いながらミニシアター1館であっという間に通過してしまった。

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④ エル/ELLE(仏・ベルギー・ドイツ ポール・バーホーベン監督)

64歳のフランスの名花イザベル・ユペールの凄みを堪能。
THE女優。病んだ働く現代女性を演じて右に出る女優がいるかな?
60オーバーでこのセクシーさは犯罪的で、日本ならおばあちゃん扱いだけどね。

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③ アトミック・ブロンド(米 デヴィッド・リーチ監督)

シャーリーズ・セロンの80年代音楽満載のスパイアクション。シャーリーズの長い手足が猛スピードで男達を倒していく快感が女子には受けるだろうが、作品としては微妙で、カタルシス皆無。f:id:kudasai:20171217011844j:plain

 

② ムーンライト (米 バリー・ジェンキンス監督)

アカデミー賞作品賞受賞で「ララランド」に間違われた。独特の色彩設計しか記憶が残っていない。

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① ドリーム (米 セオドア・メルフィ監督)

NASAで働く黒人女性達が数学で組織に立ち向かい、実績を残してリスペクトを勝ちとっていく実話。こういう物語は見ていて気持ちがいい。

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2016年のベスト10は ↓ ↓ ↓

 

いつ死ぬかわからない世の中なので、来年こそもっと映画を。